生物技術者連絡会通信 2026年7月号

生物技術者連絡会通信 2026年7月号

 

<生物技術者が見た風景~金沢城公園湿生園でトンボを探す>

 夏を代表する昆虫といえば、私にとってはトンボです。子供のころ捕虫網を持って池の周りを走り回った思い出があり、大人になっても仕事でやはり飛んでくる彼らを獲りまくってましたから。夏になると川や池の水面でちょっと待っていれば必ずやってくるトンボですが、日本に約200種生息するこの虫が数類多く見られる水辺となるとそう多くはありません。私の家から30分ほど歩いたところに金沢城公園がありますが、その中の湿生園という場所はそのような多数のトンボがみられる水辺の一つです。その全景はこちら。

 

 写真は6月の下旬に行ったときのものです。池にはスイレンやコウホネ等の湿生植物が植えられていて、花が咲くこの時期はまるでモネの絵のようです。このときに出会ったトンボたちを4種ほど写真でご紹介しましょう。

 

 シオカラトンボです。水辺ならどこでも見られるなじみ深いトンボですね。

 

 オオイトトンボ。全国に分布しますが、太平洋岸沿いではあまり見られなくなってきました。

 

 ショウジョウトンボ。アカトンボの仲間で雄は全身真っ赤。まさしくアカトンボの中のアカトンボといったところ。

 

 チョウトンボ。トンボなのに前翅よりも後翅が大きく、ひらひらとゆっくり飛ぶおかしなトンボ。おまけに翅は真っ黒なのに虹色に光ってとてもきれいです。

この他、ナツアカネやギンヤンマも飛んでました。ギンヤンマもきれいなんだけど、動きが早くて撮影が超難しい....。金沢城公園では城郭建築や石垣に目が行きがちですが、いきもの好きには森に棲むモリアオガエルとこの湿生園に飛ぶトンボたちがおすすめです。

 

<生物技術者のための名所案内~手取峡谷:綿ヶ滝>

 夏真っ盛りのこの頃、多くの場所で気温が40度を超える酷暑に見舞われています。一方、日本海側に位置する金沢市は真夏でも酷暑日になることは少なく、気温が上がってもせいぜい32〜34度くらいです。とはいえ、30度超えの真夏日が連日続くとエアコンきかせた家から外に出るのがさすがに億劫になりますね。こういうときは渓谷に流れ落ちる滝のそばに行って涼んでしまおう...ということで、金沢市内から南に約20kmほど下ったところにある綿ヶ滝(わたがたき)へ行ってみましたのでご紹介します。

 金沢市内から国道157号線を車で南下すると山が迫り、やがて手取川沿いに山間部を進む道になります。山間部に入って15分ほどすると「右折すると手取峡谷」という標識が出てきますので、右折して橋を渡り標識の矢印を1km辿っていくと滝に着きます。トイレ施設のある駐車場から数分歩けば滝へ降りる入口があるんですが、ここから滝壺へ向かってほぼ垂直に階段で降りていく道にちょっとビビります。

 

 おっかなびっくりでゆっくり降りていくと数分で到着。滝壺のすぐ横まで行けますが落差が32mもある大きな滝なので見上げてみても、階段の途中から見下ろしてみてもその全貌を見ることはできません。滝の周りは水しぶきで常に濡れていて、滝が流れ落ちる断崖も含めて植物に埋め尽くされています。滝からのミストを浴びて花も元気に咲いてましたので幾つかご紹介します。

 

 水しぶきを浴びてみずみずしく見えるオオバギボウシ。

 

 草むらの中からニョキッと突き出て咲くウバユリ。

 

 滝壺の岩の間にひっそり咲くコオニユリ。訪れたのが平日でしたので私の他に人はおらず。1時間ほどゆっくり涼んできました。夏の暑さを忘れて心静かな時間を過ごせる場所です。この道からは滝の全貌を写真に収めることはできませんが、駐車場から数分下流に向かって歩くと滝の全貌を眺めることができる展望台があります。

 

 望遠レンズを使って撮るとバッチリ。写真に収めたい人はこちらからどうぞ。

 

<いきもの写真館No.187 ニホントカゲ >


 綿ヶ滝の帰り道、急な階段を登っていった途中で日向ぼっこしているニホントカゲの幼体に出会いました。成体は全身黄褐色ですが今年生まれの幼体は黒い体色に白い縦筋が数本あり、尾の部分のみ縦筋が青色になっています。カナヘビと違って体の表面に光沢があって、幼体は色彩的にとてもきれいですねー。学問的には2012年以降、本州の中部あたりを境にDNAによる系統解析で種を二分できるということで石川県産はヒガシニホントカゲになるんだそうです。しかし、見た目では区別できないんじゃどっちでもいいんじゃないかと思ってしまいますね。

 

 このブログの内容に関するお問い合わせは以下にお願いします。

生物技術者連絡会 邑井良守 yoshimori.murai@gmail.com

生物技術者連絡会通信 2026年6月号

生物技術者連絡会通信 2026年6月号

 

<生物技術者のための名所案内~白山高山植物園>

 若いころは盛んに登山をして日本アルプスの稜線を花や鳥を愛でながら歩き回っていたものですが、68歳にもなると腰を痛めていることもあって山登りにはとんと縁がない生活になりました。登山できる体力のない年寄りはもう高山植物のお花畑をこの目で見ることはかなわないのか…という嘆きはまだ早い。世の中には山登りで歩いて行かなくても車やバスを使い、ほんの少し歩いていけば出会える高山植物のお花畑もあるんですよ。北アルプスですと栂池自然園が有名ですが石川県にも同様の場所があります。金沢市から国道157号線を車で1時間半ほど南に下ったところにある白山高山植物園です。ここは白山山頂付近に展開するお花畑に咲く植物を標高1000m以下の試験地に移植栽培し、NPO団体による管理のもとで約7600㎡のお花畑として定着させた場所です。白山山頂へは丸1日、標高差1500mの登山道を歩いて行かなくてはなりませんがこちらは駐車場から10分ほど歩けば到着。森の坂道を抜けたら突然こんな風景が飛び込んできます。

 

 訪れたのは6月13日でしたが山の斜面に見られる黄色はすべてニッコウキスゲの花です。斜面のあちこちに遊歩道が設けられていて、2か所ほど休憩所のテントが設置されていました。

 

 植物園は南北に延びる谷間の西側斜面に立地していて、谷間を挟んだ向こう側には白山山系の稜線を眺めることができます。

 

 ニッコウキスゲの手前に咲くのはヤマブキショウマ。最奥には白山の大汝峰から別山に至る稜線が見えています。

 

 当日はたくさんの植物を見ることができましたが、その幾つかを写真でご紹介しましょう。まずはイブキジャコウソウ。ハーブのタイムと同属の花です。

 

 タカネナデシコです。平地にあるカワラナデシコより花が大きくて花弁の切り込みが深いですね。

 

 タカネマツムシソウです。6月なのにもう咲いてましたね。

 

 ニッコウキスゲとともにササユリもたくさん咲いてました。

 白山高山植物園は6月上旬から7月上旬の1か月のみ開園します。2026年の開園期日は6月6日~7月5日です。入園料は500円で開園期日は開花状況により毎年変動します。現地には国道分岐から駐車場へ至る車道の途中にある施設以外にトイレはありません。売店や自販機もありませんのでご注意ください。詳細はHPでご確認ください。 

https://garden.hakusanmab.org/index.html

 

<今月のデータ~金沢城公園のモリアオガエル繁殖状況2026>

 2020年から毎年観察している、金沢城公園に棲むモリアオガエルの産卵状況ですが今年も見てきました。7年間のデータをとりまとめた表をご覧ください。

 今年は梅雨入りが大幅に遅れて6月20日になったこともあってか、繫殖期間を通して観察された卵塊数は過去最低数となりました。期間中の降雨量が少なかったことが大きな要因だと思いますが、現在進行中の二の丸御殿整備工事の影響もあるのかもしれません。ただ、今年は二の丸内堀石垣上の樹木列の常緑樹2本にも産卵しているのが確認できましたが、そこはまさしく二の丸御殿整備工事現場に接する箇所なので彼らのたくましさもちょっと感じられます。二の丸内堀には相変わらず2023年から現れたスッポンが2頭泳ぎ回っていました。

 

<いきもの写真館No.186 シマヘビの白化個体 >

 金沢城公園の二の丸内堀でモリアオガエルの産卵状況を見ていたところ、堀の中を悠々と泳いでいる白いヘビを見かけました。頭部を見ると目の後ろに黒い筋が見えて胴体にも縞模様が見えますのでシマヘビの白化個体のようです。モリアオガエルのオタマジャクシが落ちてくるのを狙ってるようですね。シロヘビといえば奈良県の大神神社にいるアオダイショウの白化個体(神蛇と崇められていて棲んでいる神木の根元に生卵を供えるしきたりがあります)が有名ですが、シマヘビでもまれに白化個体が出ます。シマヘビは色彩の変異が大きくて黒化個体もあるんですがこちらは結構数が多く、黒化個体は比較的性格が獰猛なんだとか。

 

 このブログの内容に関するお問い合わせは以下にお願いします。

生物技術者連絡会 邑井良守 yoshimori.murai@gmail.com

生物技術者連絡会通信 2026年5月号

生物技術者連絡会通信 2026年5月号

 

<生物技術者が見た風景~5月に花と虫を探す>

 5月に入ると春に見た可憐な花たちは消えて、ユリのような華美な夏の花々が見られるのは6月以降。野の花を愛でる人たちにとって5月はまるでエアポケットのような気分になります。しかし季節的には外へ出かけるのに最高のコンディション。山や森へ出かけたくてうずうずしますよね。今月も北陸の3か所、いろいろな場所に出かけて自然を満喫してきました。

①富山県砺波市 頼成(らんじょう)の森

 草花が見れないのなら木の花を見よう!…ということで富山県の県立自然公園「頼成(らんじょう)の森」にやってきました。ここは面積約115haの広大な森林公園で大部分が自然林に覆われています。ここでの5月の見どころはホオノキとヤマボウシの白い花です。

 

 若葉茂る鮮やかなグリーンの森に白いアクセント。ホオノキはどでかい葉をつけた枝先にこれまたどでかい花を一つずつ咲かせます。ホオノキは樹高が20mにもなる高木のうえに葉が日本の広葉樹最大の大きさなので、森を歩くと容易に見つけることができる木です。それほどの木にさらに大きく白い花が咲くという。目立つのも当然ですね。ちなみにホオノキと同じ仲間(モクレン科)のモクレンやコブシは4月に花を咲かせます。

 

 ヤマボウシもまた葉の上を覆いつくす様に手裏剣みたいな形の花(本当は花じゃなく総がく片)をたくさん咲かせるのでとても目立ちます。遠くからこの花を見ると、まるで木に雪が積もっているように見えますね。ちなみにヤマボウシと同じ仲間(ミズキ科)のミズキやクマノミズキは6月に花を咲かせます。頼成の森にはどちらの木もたくさんあるようで、森の遊歩道を歩いているとあちこちで見ることができました。  

 頼成(らんじょう)の森HP https://www.bgtym.org/ranjyounomori/about/

②富山県朝日町 ヒスイ海岸

 森深い山で咲く花が少なくなったんだったら太陽がさんさんの海はどうだろう、ということで次に海岸へ行ってみました。同じく富山県の東部にある朝日町の海岸です。ここは砂浜ではなく砂礫の海岸で、隣の新潟県糸魚川市と同じく後背の山地からヒスイが混じる砂礫が川に流れてきて海岸に溜まっています。なので通称ヒスイ海岸と呼ばれます。休日に行ったところ多くの親子連れがあわよくばヒスイをゲットしようと海岸をうろうろしていました。彼らは海岸奥に帯状にのびる草地には目もくれないですが、そこでは紫色のハマエンドウとピンク色のハマヒルガオが足の踏み場がないほどの花盛りでした。

 

 おっと、まだ5月だというのにハマナスが咲き始めてましたよ。夏そのもののイメージみたいな花ですが結構花期が長いんですよね。空を見上げるとミサゴが海岸線に沿って行ったり来たり。ヒナたちに与える魚を一生懸命探しているようでした。

 ヒスイ海岸のHP https://www.asahi-tabi.com/hisuikaigan/

④福井県敦賀市 中池見湿地

 最後に行ったのは新幹線の駅から歩いて30分で行ける、おそらくは日本で一番交通の便が良い自然泥炭湿地の中池見湿地です。2012年にはラムサール条約湿地にもなりました。ここは日本でも有数のトンボ多産地で73種が確認されているそうです。私は6~7月にものすごい数のトンボが飛び回っている光景を何回も見てますが、5月に来たことがありませんでした。花はともかく、春のトンボたちが見たい!と思って来たのでした。

 

 実は私は鳥好きの花好きですが、必ずしも虫好きではありません。なので見かけたトンボを瞬時に同定するスキルは持ち合わせていないのですが、これは腹が太く平たくなってるので私にもわかりますね。ハラビロトンボです。

 

 ハグロトンボみたいですが翅の先端近くに白い部分が見えましたのでアオハダトンボかしら。間違ってたらすいません。アオハダトンボはハグロトンボと違ってきれいな水からしか発生しないそうです。

 

 サナエトンボの仲間だということは分かるんですがそれ以上はよくわかりません。腹部の先端が膨れてるからヤマサナエやキイロサナエあたりか? 間違ってたらすいません。  

 というわけで5月の旅はこれで終わり。個人的には6月のハイライトはモリアオガエルです。毎年金沢城公園での産卵状況をご報告してますので、今年も見に行ってきますね。

 

<いきもの写真館No.185 アカボシゴマダラ >

 5月上旬に千葉県佐倉市にある自宅周辺を歩いていたところ、雑木林沿いの藪の中でジタバタしているこの蝶を見つけました。「えっ、何これ? ひょっとしてオオゴマダラ? いや、ここは沖縄じゃないぞ。模様も何となくさっぱりしてるし…。」調べてみたら特定外来種のアカボシゴマダラでした。日本ではもともと奄美諸島にしか分布してなかった蝶ですが、1955年に埼玉県内で突如として出現し、以降は関東地方を中心に東西へ分布を広げています。その状況から人為的分布の可能性高く、特定外来種に指定されているわけです。見つけたら捕獲除去しておきましょう…。でもね、江戸時代までは九州にしか分布していなかったのに1940年代には中四国、1960年代には関西、21世紀に入ってからは関東から東北南部にまで分布を拡大したナガサキアゲハという蝶がいるんですが、こちらは自力の分布ということでOK。アカボシゴマダラもちょっとはしょっちゃったけど、遅かれ早かれいずれは自力で分布拡大してたんじゃないか。それを特定外来種という名で敵視するのはかわいそうとちょっと思ってしまいますね。

 

 このブログの内容に関するお問い合わせは以下にお願いします。

生物技術者連絡会 邑井良守 yoshimori.murai@gmail.com

 

生物技術者連絡会通信 2026年4月号

生物技術者連絡会通信 2026年4月号

 

<生物技術者が見た風景~本州横断花の旅>

 先月は富山県と福井県に早春の花を探しに行った話をしましたが、いい花に出会えて気持が乗ってきたので4月はさらにディープな花探し旅を実行することにしました。実家のある石川県金沢市から自宅のある千葉県佐倉市に向かって、半月かけて6か所を巡る旅です。さて、どうなったでしょうか。

①4月2日 金沢市不室町 直江谷健康の森

 金沢市街より約10km東方の山林内にある公園施設です。遊歩道をたどると太いスギが林立する谷間があり、そこが早春にはお花畑になります。 

 

 エンレイソウです。巨大なクローバーのような葉の中心からニョキッと、地味な色の花が出てますね。春になると落葉樹林の林床に咲く花で、形が面白いので私は好きです。古くから胃腸に効く薬草として知られていて漢字で書くと「延齢草」。他にキクザキイチゲも咲くんですが、行ったときは咲き始めの花が数輪あっただけでした。

②4月3日 金沢市本多町 本多公園の小径

 金沢市街のど真ん中。兼六園がある台地と武家屋敷跡地に造られた公園との間にある斜面林沿いの小径を歩きます。この小径、公園から鈴木大拙館という著名な哲学者を偲ぶ施設に抜ける道です。いわば金沢版の哲学の小径ですね。

 

 町の真ん中なんですけどきれいな紫色のキクザキイチゲが咲いてました。それに、整備された斜面林の林床は数種類のスミレたちで埋め尽くされてましたね。

③4月8日 愛知県豊橋市 葦毛湿原

 JR豊橋駅より東方へ約6.5km。バスに約30分乗り、降りたら30分弱歩いたところに葦毛湿原があります。大きな都市のすぐ郊外に湿原があるのってかなり珍しいですよね。夏には多種の食虫植物が見られることで有名らしいんですが、さて早春には何が咲いてるかな。

 

 湿地で花盛りだったのはハルリンドウでした。よく似たフデリンドウは落葉樹林の林床でまばらに見られますが、このハルリンドウは湿地で大きな群落を作ります。

 

 湿原内の木道を歩いてみたら、私の足元には果てしなくハルリンドウたちが咲いてました。

④4月13日 東京都武蔵野市 井の頭公園

 東京へやってきました。井の頭公園は吉祥寺駅から数分でいける大きな公園です。人通りの絶えない賑やかな公園ですが、公園内の御殿山と称する区画には武蔵野を代表する雑木林が残されています。この時期なら春の花たちに出会えるんじゃないでしょうか。

 

 キンランやニリンソウも咲いてましたが、ここでの一番はイカリソウでしたね。花の形が船の碇に見えるということでイカリソウ。花の色に変異があって白い個体が多いんですがこれはピンク色で美しい。雑木林の林床で一輪、ひっそりと咲いていました。

⑤4月16日 千葉県佐倉市 佐倉里山自然公園

 ここは私の自宅から歩いて10分程のところなので、散歩がてらよく歩きに来ます。耕作が放棄された3つの谷津(台地の端から長細く入り込んでいる谷間を千葉県ではこういいます。)とその周辺を佐倉市が里山環境を保持した自然公園として整備してまして、公園内の各所で春の花を見ることができます。

 

 この時期のハイライトはこれです。クマガイソウです。千葉県内にはクマガイソウが自生する場所が複数あって、ここはその最大級の自生地。数百のクマガイソウが咲き誇っている光景は見ものですね。地元ボランティアの方々が花が自生できる環境を大切に整備されている様子も見ることができました。

 

 この場所からもう一つ。公園内の各所で、それはそれは見事な群落を作っているのがこのキンラン。来たときはちょうど満開といった風情でした。

⑥4月17日 千葉県佐倉市 佐倉城址公園

 佐倉市は首都圏というには微妙な位置にありますので市内の各所に自然豊かな環境が残っています。旅の最後に向かったのは江戸時代の佐倉城の跡をそっくりそのまま公園にした佐倉城址公園です。サクラの名所として有名ですが、ここには4月末から5月初めにかけて大群落をつくる花もあるんです。 

 

 サクラが散った頃から落葉樹の葉が茂げそろうまで、春の花が咲き続く期間の終わりを告げる花と個人的に思っているのがこのオドリコソウです。花をじーっと見たら…ほら、菅笠をかぶった娘たちの姿が見えてきませんか。遊歩道の両側にびっしりとこの花が咲いてるのを見たら、まるで春が来たと喜び踊っているように思えちゃうんですよね。

 というわけで早春の花を巡る旅はこれで終わり。次は初夏の花々を巡る旅でもひとつ企画してみましょうかね。

 

<いきもの写真館No.184 カキドウシ >

 公園の芝地に接する森の際で見つけた1枚。家の庭で普通に生えて、根を長く遠くまで伸ばして垣根を越えて家の外にまで広がっていくから「垣通し⇒カキドウシ」。かつては人家の周りで普通に見られていたこの花も、最近では帰化植物に押されてずいぶん少なくなってきたような気がします。4〜5月に見られる青い花がきれいですが、顔を近づけるとミントのような香りがあって漢方薬になったり、ハーブティーとして楽しむこともできるいいやつです。

 

 このブログの内容に関するお問い合わせは以下にお願いします。

生物技術者連絡会 邑井良守 yoshimori.murai@gmail.com

生物技術者連絡会通信 2026年3月号

生物技術者連絡会通信 2026年3月号
 
<生物技術者が見た風景~2026年最初の花探し>
 この冬の北陸は例年になく雪が多く積もって3月に入っても雪が街からなかなかなくなりませんでした。下旬になってようやく春らしくなってきたので山にも色どりが出てきたかなと思い、2日間にわたり早春の花を探しに出かけました。1日目は富山県の赤祖父山です。
 富山県人にはフクジュソウが咲く山として有名で金沢市から車で約1時間、東へ一山越えた南砺市にあります。3月26日に行ったのですが林道に入った途端に積もった雪に流されてきた枝や落石が路上にゴロゴロ。RVでも通過が難しそうなものを手で排除しながらじりじりと進み、ようやく花が咲いている場所に達しました。
 行ってみると積雪がまだ結構残ってまして、フクジュソウが咲くような日当たりのよい緩斜面はどこも白く覆われています。うーん、来るのが早かったか... と思ったところ、滝の周りの草付きにピンクの花と青い花が咲いてます。

 

 ピンクの花は雪割草でした。雪割草は地域別に異なる3~4種の花の総称で、ここは北陸なので正式にはオオミスミソウという名前の花です。この花、場所によって白やピンク、紫、青と様々に色を変えるそうですがここでは薄いピンク色で咲いてました。ちなみに、石川県では能登半島の猿山岬というところが雪割草の自生地として有名です。本当はそこに行きたかったんですが地震のため交通事情が悪く、金沢市からは行くのに2時間以上かかるため今回は断念しました。猿山岬の方もピンク色が多いようで、北陸地方の雪割草はだいたいピンク色が主流みたいですね。

 

 青い花の方はキクザキイチゲでした。金沢市内でもキクザキイチゲは見ますがこっちの方が遥かに青色が鮮やかです。そういえば、標高が高いと紫外線が強くなるので花の色も濃くなるとどこかで聞いたことがありますね。
 赤祖父山ではフクジュソウを見ることができなかったので、2日目は確実に見れそうな福井県は勝山市北谷の自生地へ向かいました。金沢から福井県へは富山県よりずっと遠いんですが交通事情が良く、国道157号線を南へ一直線。1時間半弱で現地へ行けます。そして北谷のフクジュソウ自生地は国道脇にあるというお手軽さです。現地に着いたらかつて棚田だった場所の畔でたくさんのフクジュソウが咲いていました。

 

  写真の通り、国道際の棚田の畔だった場所が自生地です。

 

 ご覧の通り、畔の斜面を見るとあちこちでフクジュソウが咲いてます。

 

 雪割草と同じくフクジュソウも地域別に4種類あって、北陸で咲くのはミチノクフクジュソウです。関東地方に自生するのはフクジュソウになります。3月27日の土曜日に行ったんですが、きれいに咲き誇るフクジュソウを見て悦に入っていたのは私を除いて他に二人だけ。福井県の人はみんな恐竜博物館へ行ってるのかな? 北陸の人たちは、本当に自然に無頓着だなと思った1日でした。 
 
<生物技術者の仕事ネタ①~河川用語に悩む>
 このブログでいう生物技術者とは、自然環境にくらす生きものに関する専門的な情報を利用する仕事に携わる技術者のことをさしています。筆者はもう仕事を引退していますが、自然開発事業に伴う環境アセスメント調査業務と食品製造販売事業に伴う生物災害対策業務(平たく言えば消毒屋ですね)に携わっていました。どんな仕事でもそうですが、異なる業界と仕事でお付き合いする際にはその業界内でだけ通用する用語や符丁、しきたり等を承知しておかなくてはなりません。ここでは生物技術者として仕事してきた筆者が得た経験の中から、面白いネタとなりそうなものを紹介します。
 筆者は1980年代後半から2000年代後半まで環境アセスメント調査業務に携わっていましたが、その時の主な対象業務の一つに「河川水辺の国勢調査」というものがありました。国土交通省(旧建設省)からの発注業務で、日本全国に109箇所ある一級河川を対象に生きもの調査をするという業務です。調査で得られたデータを報告書に取りまとめて提出するんですが、ここで必要になるのが役所で通用している河川用語。これ、理解できます?

【質問】川の両岸にあるのは堤防。では、川の中の方は堤防の内と外のどっち?
【回答】川の中の方は堤防の外で堤外。その反対が提内。
 …いや、普通水が流れてる方が堤内でしょ。役所曰く、水害から守るべき方向が内ですからということなんだそうです。私、未だにしっくりきてません。次はこれ。
【質問】川の両岸、どっちから見て右左?
【回答】川の上流から下流に向かって右が右岸、左が左岸。
 私、山を背景とした川の景色が好きなのでついつい間違ったりするんですよね。私だけでしょうか。最後にこれです。
【質問】頭首工って何?
 これを知らないと調査報告書が書けません。Google先生に聞いてみましょう。

 
<いきもの写真館No.183 タゴガエル >

 3月の早春に山林を歩いてみるとその森に周年生息するカラ類やヒヨドリ、カラスの声は聞こえますが、4月以降に比べると林内は至って静か。ほとんど静寂といっていい雰囲気です。綺麗な囀りを聞かせる渡り鳥がまだ来ていないのでしょうがないといえばそれまでですが、それでも渓流沿いを歩けばミソサザイの明るく良く通る声が聞こえることがあります。と、それと同時に明らかに鳥の声ではないものも。それは「グッ、ググッ」という低くくぐもったような声で渓流の流れの中やその周辺の、何だか土の中から盛んに聞こえてきます。声を頼りに探してみてもその主はなかなか見つかりません。で、ようやく見つけたのがこの写真。アカガエルにそっくりですが鳴き声がまるで違うタゴガエルです。関東地方ではアカガエルの仲間には田んぼで普通に見られるニホンアカガエルの他に山間部に多いヤマアカガエル、それにこのタゴガエルがいます。さらに近年になると深山の渓流沿いに棲むナガレタゴガエルというのも見つかって、これらはどれも姿がそっくり。オスの形態が変わり鳴き声を出す繁殖期にならないとまず専門家以外では区別はできません。 


 このブログの内容に関するお問い合わせは以下にお願いします。
生物技術者連絡会 邑井良守 yoshimori.murai@gmail.com

 

生物技術者連絡会通信 2026年2月号

生物技術者連絡会通信 2026年2月号

 

<生物技術者が見た風景~ガマ合戦>

 寒い日が続いていたので、少しでも暖かいところに行きたいなあと思って伊豆大島へ行ってきました。この島には小さいながら動物園があって、伊豆七島の在来固有種であるカラスバトが飼われているとのこと。そいつを見たいなと思って2月24日の朝に訪問しました。残念ながらカラスバトはケージの奥に引っ込んでいて姿は見えなかったんですが、「ウォゥ、ウォゥ」という独特の声が聞けたのでまあいいっか。姿自体は全身真っ黒以外はドバトとあまり変わらないので。動物園の周りに広がる森林内の遊歩道を歩いていてもこの声が聞こえて、小さな島の中で細々ながらも命を繋いでいるんだなあとちょっと感動しました。

 この動物園、人気者のレッサーパンダやカピバラもいるのに入場は無料。大変お得でおすすめ....なのですが、今回ここで見た一番の風景はこれでした。

 アズマヒキガエルの繁殖行動。つまりガマ合戦が動物園の構内あちこちにある池で始まっていたのでした。このガマ合戦、1年のうちの繁殖期の2〜3日だけ見られるものなので出会えるのはかなりラッキーです。繁殖池へ向かうカエルたちが歩道上をうろうろしていて、入園者をびっくりさせてました。

  道端を歩いているカエルをよく見ると合体したまま(正しくは包接したまま)のやつばかりです。園内の動物から聞こえる鳴き声とは別に、「グッグッ」というくぐもったような声が園内のあちこちから音楽の通奏低音のように聞こえてきます。

 千葉でも何回かガマ合戦に出会ったことがありますが、確か時期が3月上旬だったように記憶しています。さすが温暖な伊豆大島。ここでは2月下旬から始まっているんですね。ちなみに、この島にいるアズマヒキガエルは本土から持ち込まれた外来動物なんだそうです。

 

<おじゃま虫Q&Aその10>

 私がかつて衛生管理業(消毒屋)に勤めていたころ、一時期ですが一般のお客様からのメールでの問い合わせに対して回答するお仕事をしていたことがあります。その中から過去に受けた幾つかのQ&Aについてご紹介する第10回目。今回はヤスデです。

【お問い合わせ内容】 去年土地を所得し、住宅を建てました。今年の6月頃から、ムカデ?ヤスデ?が沢山出てきました。屋外なら問題無いのですが、屋内にも出没します。多い時は、1日10匹ぐらいいます。雨の日に多く出ます。家の外壁を上っていくのを見かけます。環境のため、家を建てる時に白アリ駆除はしませんでした。駆除方法を教えて下さい。

【回答】 ご質問ありがとうございます。家の壁を上っていくムカデかヤスデのようなもの、ということですが数が多く動きがゆっくりでしたらヤスデだと思います。

 建物の周辺に住み、屋内に入ってきて問題となるヤスデにはヤケヤスデやオビヤスデといった種類がいます。いずれも2~5㎝程度の大きさです。通常は土壌の腐葉土中に住んでいますが大雨の時は土中に水があふれ、呼吸できなくなりますので建物の壁や屋内に大挙して侵入してきます。これはミミズも同様です。

 駆除方法ですが、すぐにいなくしたいということでしたら薬を使うことになります。土壌や他の動物に影響が少ない形状が良いですから粉状もしくは粒状の薬を家のまわりに帯状にまきます。アリ・ヤスデ用としてホームセンターでも売っています。殺虫剤ではなく、石灰でも効果があるようです。

 土中にまきたくない、ということでしたら家の壁に虫が寄らない忌避剤を塗布する、という方法もあります。塗料に忌避剤を混ぜ込んだスプレーを当社で販売しています。ただし、この方法ですと大雨が降りましたら薬が流れてしまい、効果が薄れます。

 薬は絶対使わないということでしたら、環境的に来なくすることができます。家のまわりの幅15㎝程度を砂利(バラスト)で帯状に敷き詰めるか、コンクリートのたたきにしますと効果があります。ただ、この方法では1匹も上がってこなくなるとは言い切れません。多少は来るかもしれません。

【著者追記】 最近、森林だった土地を開発して住宅地や工業団地を造成した直後にヤスデやダンゴムシが大発生した事例が出てきています。これは造成工事により林床土壌が掘り返されたことが原因のようです。つまり新しい土に入れ替えられたことで土壌中からヤスデやダンゴムシの天敵動物が消失してしまい、土壌生態系の底辺にあたるヤスデだけが一時的に大発生したしたものと考えられます。なので、いずれ天敵動物が周囲から侵入することにより土壌生態系が安定に向かい、現れるヤスデの数も減ることになるかと思います。

 

<いきもの写真館No.182  ツグミ>

 真冬の公園の芝生や畑地、ゴルフ場等で地上を胸を張りながら歩き、ときどき止まって動かなくなる鳥を見たら、それはほぼ間違いなくツグミです。同じような大きさのツグミ亜科の鳥は多いですが、ずっと遠くの豆粒のような状態でもこのような行動で識別できるのは便利ですね。冬鳥としては最もポピュラーな鳥といえるツグミですが、最近は歩いていても出会える機会が少なくなった気がします。逆に茂みの中を好むシロハラの方が結構出会う機会が多くなった気もしますが、そう思っているのは私だけかしら。

 

 このブログの内容に関するお問い合わせは以下にお願いします。

生物技術者連絡会 邑井良守 yoshimori.murai@gmail.com

生物技術者連絡会通信 2026年1月号

生物技術者連絡会通信 2026年1月号

 

<生物技術者のための名所案内~出水市荒崎のツル渡来地>

 2026年明けましておめでとうございます。今年も様々な場所へ生きものを探しに参ります。ということで今年の第一弾として、ほぼ30年ぶりに出水市荒崎のツル渡来地を訪れてみました。大方の生物技術者にとっては遠く不便な場所ですが、日本ではここだけと断言できる光景を見ることができます。もし訪れる機会があったらお勧めしたい観察コースをご紹介しておきましょう。

 出水市荒崎地区は鹿児島県にありますから首都圏から距離的にとても遠いのに、それに加えて現地への交通アクセスもまた不便です。渡来地を一望できる出水市ツル観察センターへ直接行く公共交通機関はなく、最寄りの駅(肥薩おれんじ鉄道野田郷駅)からは徒歩で約5キロあります。行くにはレンタカーかタクシーを使うしかないですね。しかしここは貧乏だが健脚なのがとりえの生物技術者です。少し歩かなきゃいけないけど気分は上がるコースで行きましょう。Google地図で示してみましたよ。

 


 出発地点は地図の右下にあるENEOSガソリンスタンドがある交差点で、ここに「古浜入口」というバス停があります。JR新幹線及び肥薩おれんじ鉄道出水駅西口から出ている「
天草ロマンシャトル出水・蔵之元線」というバスに乗り、このバス停で降ります。私は1日5往復出ているうちの第1便、9時0分発のバスに乗ったんですが1月19日の日曜に乗ったにもかかわらず乗客は私一人だけ。30分ほどで到着しました。バス停降りて来た道を振り返ればガソリンスタンドと交差点がすぐ見えますので、さあここから海に向かって北へ歩いていきましょう。

 歩きだしたらすぐに周りは全て水田となり、その水田はずっと彼方まで広がっています。ここは荒崎の東干拓地というところで、道はその真ん中を貫いて海岸に向かってずっと続いています。と、バス停から歩きだして10分にもならないうちにラッパのような鳴き声が…いた!

 

 田んぼの真ん中に数羽ずつ固まってツルがいます。同時に田んぼのあちこちからラッパが聞こえてくるんですがその声量が尋常じゃない。近くにいるグループと遠くのグループの声量がまるで同じようにすさまじく聞こえます。遠くも近くも同じように聞こえるってどうゆうこっちゃ。おまけに、歩いてきた後ろに立っているコンクリート造りの建物に声がぶつかって反響してくるという…。山で小鳥たちの鳴き声を長年聞いてきましたが声量が桁違いですね。それに彼らが発する音波の直進性が高いのか遠くまでとても良く通っています。こりゃ「ツルの一声」って諺があるのも納得。

 

 しかしあちこちにツルがいるのはともかく、彼らはあまり人を恐れないようで歩いていく道端どころか道の上まで歩いてる奴が。農道を軽トラックが走り抜けても全然気にしないようです。

 

 と、歩きながらカメラでツルを撮りまくっていると1種類だけじゃなく何種類かいるのに気づきました。比較的小さくて黒っぽいやつと比較的大きくて割と白っぽいやつで、前者はナベヅルで後者はマナヅルのようです。

 

 さらに写真の右側に見える全身ほぼ白色のやつはソデグロヅル?

 

 撮影のスキルは自信なかったんですが飛んでるツルの姿も何とか撮れました。うーん、かっこいい…。

 

 という感じで約2kmの道を1時間半かけて歩いていると川に突き当たりました。これから川にかかる橋を渡っていくんですが、このあたりからラッパの声がまた一段と多くなってきます。橋の上から田んぼを見下ろすと小グループずつに分散していたものからまとまった大きなグループに変わってきているようです。

 

 橋を渡って10分ほど歩けばツル観察センターに到着です。ですがこの施設、2階建ての小ぢんまりとした施設で売店もない。とても日本で唯一のツル観察施設とは思えない作りです。日曜日に訪れましたのでさすがに施設には結構な観光客がいるかな、と思ったんですが施設に40分くらいいて会った観光客は7~8グループでした。今年の渡来数は13000羽を超えて、ここ数年は徐々に増加しているそうです。渡来したツルの種類は7種。なお、Google地図では民宿と売店と示されていたセンター隣接の建物は休業状態。この渡来時期に営業してないって…?

 

 センターの屋上から見た風景です。田んぼの畔道沿いにツルが集まっているのが分かるでしょうか。ツルに給餌する餌を載せた軽トラックは畦道を走りながら餌をまいていくので、ツルたちも畦道沿いに集まっているわけですね。地元の方に聞くとツルは出水市の市街地にも飛んでくるそうで、地元の人間は見慣れているので日本唯一だという感覚はあまりないとのこと。農作物を荒らす鳥という側面もありますしね。

 帰りは来たバスで駅に戻りましたが、帰りのバスもやはり乗客は私だけでした。ツルは1月末にはシベリアへ渡り去っていくそうですので、もしツルに会いたいと思ったとしても今年の12月以降になりますね。今回紹介したバス路線が来年度も運行しているかは大いに疑わしいので、行く際には交通機関を再度ご確認の上ご計画ください。

 

<おじゃま虫Q&Aその9>

 私がかつて衛生管理業(消毒屋)に勤めていたころ、一時期ですが一般のお客様からのメールでの問い合わせに対して回答するお仕事をしていたことがあります。その中から過去に受けた幾つかのQ&Aについてご紹介する第9回目。今回はヤマビルです。

【お問い合わせ内容】はじめまして。私は、趣味でケイビング(洞窟探検)をするため山の中を歩き回っているものです。この夏は、ヤマビルが大量に発生しているため毎回数名が犠牲になっています。そこで御社(イカリ消毒株式会社)の「ヤマビルファイター」のうわさを聞きました。購入を考えておりますが、次の質問に回答していただけないでしょうか?

 

ディートをマイクロカプセル化したヤマビル用忌避剤です。

ディートの強力な忌避効果によりヤマビルなどの不快害虫をよせつけません。

水に流されずに忌避効果を持続します。

  • 主成分:ディートを10%含有するマイクロカプセル化製剤、ウレタン樹脂系塗料
  • 適用害虫:ヤマビルなどの不快害虫 

 

とありますが「ディート」とは何でしょうか?

 

使用上の主な注意:

・手などについた場合は、すみやかに石けんと水でよく洗ってください。

・液の表面が硬化した場合は表面を取り除いてから使用してください。 

 

とありますが、普通の虫除けスプレーのように体に直接はかけられないのでしょうか?また服、ズボン、靴下に直接かけてもいいものなのでしょうか?

よろしく回答のほどお願いいたします。

 

【回答】ご質問ありがとうございます。ヤマビルファイターについてお答えします。「ディート」は昆虫の忌避成分として最も著名な薬剤で、市販の虫よけスプレーにはほとんどこれが使われています。この成分がヤマビルにも忌避効果あり、安全性も優れていますのでヤマビルファイターにも採用されました。ただし、この薬剤はすぐ揮発してしまいますので効果が長く持たないという欠点がありました。そこでこの商品では薬剤成分を樹脂でくるんでしまい、徐々に揮発していくようにしてあります。

この商品は市販の虫よけスプレーよりも高濃度にディートを配合しています。このため人により肌荒れをおこす可能性がありますので肌への直接スプレーは避けてください。服や靴下には直接かけてもかまいません。長靴のようにつるつるしたものでも付着するようになっていますから主として靴に塗布することをおすすめします。

【著者追記】ディートは厚生労働省の法律によって蚊やヤマビル等に忌避効果があることが認められた薬剤で、今問題となっているマダニもその対象動物に含まれています。マダニは山道では笹薮等の葉先で通過する動物を待ち構えて取りつきます。なので、上着の表面にこの薬剤を塗っておけばマダニへの忌避効果も期待できます。

 

<いきもの写真館No.181  ミヤマガラス


 出水市のツルを見に行った際、田んぼにまかれたツルの餌にカラスが群れでたかっているのを目撃しました。しかしそのカラスたち、妙に小さく見えるうえに大群がまとまってまるでムクドリかドバトのように飛び回っています。何か変だなと思ってよく見たらミヤマガラスでした。嘴の根元部分だけ白いのが特徴です。冬鳥で群れで渡来するそうなので、きっと出水市には毎年渡来しているんでしょうね。声はハシボソに似た濁った声ですがハシボソよりも声は弱く、オナガに似た「ギューギュー」という響きもありました。

 

 このブログの内容に関するお問い合わせは以下にお願いします。

生物技術者連絡会 邑井良守 yoshimori.murai@gmail.com