生物技術者連絡会通信 2026年7月号
<生物技術者が見た風景~金沢城公園湿生園でトンボを探す>
夏を代表する昆虫といえば、私にとってはトンボです。子供のころ捕虫網を持って池の周りを走り回った思い出があり、大人になっても仕事でやはり飛んでくる彼らを獲りまくってましたから。夏になると川や池の水面でちょっと待っていれば必ずやってくるトンボですが、日本に約200種生息するこの虫が数類多く見られる水辺となるとそう多くはありません。私の家から30分ほど歩いたところに金沢城公園がありますが、その中の湿生園という場所はそのような多数のトンボがみられる水辺の一つです。その全景はこちら。

写真は6月の下旬に行ったときのものです。池にはスイレンやコウホネ等の湿生植物が植えられていて、花が咲くこの時期はまるでモネの絵のようです。このときに出会ったトンボたちを4種ほど写真でご紹介しましょう。

シオカラトンボです。水辺ならどこでも見られるなじみ深いトンボですね。

オオイトトンボ。全国に分布しますが、太平洋岸沿いではあまり見られなくなってきました。

ショウジョウトンボ。アカトンボの仲間で雄は全身真っ赤。まさしくアカトンボの中のアカトンボといったところ。

チョウトンボ。トンボなのに前翅よりも後翅が大きく、ひらひらとゆっくり飛ぶおかしなトンボ。おまけに翅は真っ黒なのに虹色に光ってとてもきれいです。
この他、ナツアカネやギンヤンマも飛んでました。ギンヤンマもきれいなんだけど、動きが早くて撮影が超難しい....。金沢城公園では城郭建築や石垣に目が行きがちですが、いきもの好きには森に棲むモリアオガエルとこの湿生園に飛ぶトンボたちがおすすめです。
<生物技術者のための名所案内~手取峡谷:綿ヶ滝>
夏真っ盛りのこの頃、多くの場所で気温が40度を超える酷暑に見舞われています。一方、日本海側に位置する金沢市は真夏でも酷暑日になることは少なく、気温が上がってもせいぜい32〜34度くらいです。とはいえ、30度超えの真夏日が連日続くとエアコンきかせた家から外に出るのがさすがに億劫になりますね。こういうときは渓谷に流れ落ちる滝のそばに行って涼んでしまおう...ということで、金沢市内から南に約20kmほど下ったところにある綿ヶ滝(わたがたき)へ行ってみましたのでご紹介します。
金沢市内から国道157号線を車で南下すると山が迫り、やがて手取川沿いに山間部を進む道になります。山間部に入って15分ほどすると「右折すると手取峡谷」という標識が出てきますので、右折して橋を渡り標識の矢印を1km辿っていくと滝に着きます。トイレ施設のある駐車場から数分歩けば滝へ降りる入口があるんですが、ここから滝壺へ向かってほぼ垂直に階段で降りていく道にちょっとビビります。

おっかなびっくりでゆっくり降りていくと数分で到着。滝壺のすぐ横まで行けますが落差が32mもある大きな滝なので見上げてみても、階段の途中から見下ろしてみてもその全貌を見ることはできません。滝の周りは水しぶきで常に濡れていて、滝が流れ落ちる断崖も含めて植物に埋め尽くされています。滝からのミストを浴びて花も元気に咲いてましたので幾つかご紹介します。

水しぶきを浴びてみずみずしく見えるオオバギボウシ。

草むらの中からニョキッと突き出て咲くウバユリ。

滝壺の岩の間にひっそり咲くコオニユリ。訪れたのが平日でしたので私の他に人はおらず。1時間ほどゆっくり涼んできました。夏の暑さを忘れて心静かな時間を過ごせる場所です。この道からは滝の全貌を写真に収めることはできませんが、駐車場から数分下流に向かって歩くと滝の全貌を眺めることができる展望台があります。

望遠レンズを使って撮るとバッチリ。写真に収めたい人はこちらからどうぞ。
<いきもの写真館No.187 ニホントカゲ >

綿ヶ滝の帰り道、急な階段を登っていった途中で日向ぼっこしているニホントカゲの幼体に出会いました。成体は全身黄褐色ですが今年生まれの幼体は黒い体色に白い縦筋が数本あり、尾の部分のみ縦筋が青色になっています。カナヘビと違って体の表面に光沢があって、幼体は色彩的にとてもきれいですねー。学問的には2012年以降、本州の中部あたりを境にDNAによる系統解析で種を二分できるということで石川県産はヒガシニホントカゲになるんだそうです。しかし、見た目では区別できないんじゃどっちでもいいんじゃないかと思ってしまいますね。
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