2012-01-01から1年間の記事一覧

研究部会通信12月号

<動物遺物学の部屋> 第14回 来年初頭のイベントご紹介 2012年ももう終わりです。今年も動物遺物学に関する活動をいくつか行って、なかなか有意義な1年でした。年末は今年を振り返ってのお話をするのが普通なんでしょうが、私は後ろを振り返るのがあまり好…

研究部会通信11月号

研究部会通信11月号<動物遺物学の部屋> 第13回 動物遺物学のルーツを探る(1) 動物遺物学というのは、獣毛や羽毛、死体のような動物遺物から動物の生態情報を探り出す学問、と著者は規定しています。要するにフィールドに落ちているこれら動物遺物から、…

研究部会通信10月号

<動物遺物学の部屋> 第12回 動物遺物から詳しい生態情報を引き出す(3) 前回の終わりに、獣毛のような動物遺物から得られる情報をつなぎ合わせると、いろいろと面白いことがわかる、というような話をしました。ここでは、実際におこったある事例からその…

研究部会通信9月号

<動物遺物学」の部屋>第11回 第11回 動物遺物から詳しい生態情報を引き出す(2) 前回に引き続き、環境保全分野としての生物調査とは異なる分野から生物調査に応用できそうな例をもう一つ。 テレビで流されているシャンプーやリンス等のヘアケア商品のC…

研究部会通信6月号

<動物遺物学の部屋> 第9回 獣毛を同定する手法(7) イヌやネコのように家畜化して様々な品種・雑種ができてしまった動物は別ですが、野生動物なら獣毛の表面や内部の構造が種としてほぼ固定化されているようで、それぞれに特徴がみられます。それは肉眼で…

研究部会通信5月号

<動物遺物学の部屋> 第8回 獣毛を同定する手法(6) 獣毛の髄質構造についてもう少し見てみましょう。まずは人間から。 まあ、鉛筆の芯みたいですよね。 これがイヌになると・・・ ちょっと太くなった感じですね。 じゃあ、ネコだと・・・ おやおや、ずい…

研究部会通信4月号

<動物遺物学の部屋> 第7回 獣毛を同定する手法(5) 獣毛は爪と同じ起源を持つ器官だそうですが、糸のように単純なものではありません。おおまかにいうと表面にキューティクルを持ち、中心には鉛筆の芯のような髄質という構造を持っています。表面と芯と…

研究部会通信3月号

<研究部会の活動報告> *報告できる事項は特にありません。<動物遺物学の部屋> 第6回 獣毛を同定する手法(4) 各動物のスンプ像の違いについて簡単に説明しましょう。その前に、動物の種類によってスンプ像が違うという話をしましたが、正確にいうと「…

研究部会通信2月号

<研究部会の活動報告> *報告できる事項は特にありません。<動物遺物学の部屋> 第5回 獣毛を同定する手法(3) 獣毛の表面は曲面なので生物顕微鏡で直接これを見ても一部しかピントが合わず、また模様を鮮明に見ることもできません。しかし、獣毛の表面…

研究部会通信1月号

<研究部会の活動報告> *報告できる事項は特にありません。<動物遺物学の部屋> 第4回 獣毛を同定する手法(2) さて、皆さんの頭に生えている頭髪をモデルにして考えていきましょう。ヒトの毛も獣毛の一種ですからね。手にとって見てみると・・・ただの…