H20.09.20 獣毛書籍:目次案

研究部会メーリングリスト通信 平成20年9月10日号
<研究部会の活動報告>
*特に報告できる活動は行っておりません。
*生物同定技術書籍出版プロジェクト報告
先日行なわれた運営委員会で、私(邑井)と藤井さんが第一次の目次案を委員の方々に提示しました。ここでは私(邑井)の、つまり獣毛同定の目次案をご紹介します。

〜書籍プロジェクト「獣毛による同定技術」目次案〜
緒言〜この稿の構成について
第Ⅰ章 獣毛による同定技術の解説
1.獣毛から種を同定する技術の過去と現在
2.獣毛の同定に関わる基礎知識
3.獣毛による同定手法の解説
4.同定に役立つ類別形質の解説
5.目レベルの同定類別ポイント
6.獣毛同定に関わる用語
第Ⅱ章 ペリット・獣糞から検出される餌動物獣毛の同定
1.対象種の餌動物から行動様式を解析する
2.ペリット・糞からの獣毛の検出と同定の手順
3.関東地方の平野から低山帯に生息する小型哺乳類の獣毛の特徴
第Ⅲ章 樹上性哺乳類調査における巣箱採取獣毛の同定
1.巣箱による生息確認調査の問題点と獣毛同定技術の利用
2.採集獣毛の同定技術を導入した調査手順
3.主要な樹上性哺乳類の獣毛の特徴
4.巣材からのスクリーニング作業と同定作業の留意点
第Ⅳ章 獣糞や食痕、ヘアトラップで採取された当該動物の獣毛同定
1.獣毛同定技術を利用した定性調査・行動圏調査の考え方
2.対象動物獣毛を積極的に採集する
3.獣毛によるネコ目中型哺乳類の同定
第Ⅴ章 獣毛による近縁種・競合種の同定類別
1.ネコとヤマネコ(ツシマヤマネコ)     
2.ドブネズミとクマネズミ
3.アズマモグラとコウベモグラ
4.ニホンイタチとチョウセンイタチ
5.ニホンリスとタイワンリス
6.アカネズミとヒメネズミ
7.その他の近縁種・競合種 
第Ⅵ章 獣毛同定技術の応用
1.個体識別の可能性について
2.種同定以外の生態情報を得る
参考文献 

この目次案を作るにあたっては、以下の点に留意しております。
●種類をただ並べただけの図鑑書籍にせず、現場で使うマニュアル書籍を目指す。
●現地調査を実施できる基本的な知識を持った人をユーザーとして想定する。
●現場で獣毛同定が利用できる様々な場面を項目化してそれぞれをマニュアル化す
る。
●今回は局限的に生息する種類についてはほとんど紹介しない
(というか、データがないのでできない)。
●今後考えうる獣毛同定技術の応用についての項目を設ける。
今回のプロジェクトに参加した3名はそれぞれ異なったポリシーを持っています。
したがって、他の2名もこの考え方に沿って目次案を作る、ということではありません。
藤井さんが提示した目次案については、次回ご紹介します。
皆様のご意見も聞きながら、今後第二次、第三次と目次案を煮詰めていきたく思います。
書籍構成の考え方も含め、ご意見をいただければ幸いです。



<生き物豆知識〜クロナガアリ
 クロナガアリはフタフシアリ亜科に属し、本州、四国、九州に分布しています。
働きアリは体長約5ミリで黒色、頭部には縦じわがあり、腹部は光って見えます。
 クロナガアリは草原や畑のそばの土中に巣を作ります。
巣は地面から3〜4メートルにも及ぶ深いトンネルで、ところどころに平らな部屋がついています。
この部屋は食物の貯蔵庫、食堂、育児室を兼ねたものです。
 クロナガアリは秋だけに巣から出て、探餌活動をする変わり者です。
巣口は5月頃の結婚飛行の時だけ開き、後は秋になるまでずっと閉じたままになっています。
働きアリは他種のように夏の間外に出て働くことはありません。
 秋、天気のよい日に働きアリは巣から出て、地面にこぽれ落ちたススキなどのイネ科植物の種子を見つけ、口にくわえて持ち帰り巣に蓄えます。この種子が食糧であり、幼虫を育てる餌にもなるわけです。
種子は発芽できず、アリ側が一方的に得をします。
 しかし、植物と相互扶助の関係を結び、共進化してきたアリがいます。
ヤマアリ亜科のクロヤマアリはスミレ、カタクリなどの種子を運び、エライオソームと呼ばれる付属物だけを食べます。
種子の発芽カは失われず、分散を果たすことができます。

<ワンポイント環境問題〜当世ごみ処理場事情>
 最近マスメディアなどで、産業廃棄物処理施設の建設にからみ、計画を知った住民と建設を推進する業者や公共団体との紛争がよくニュースとして取り上げられています。
このように、現在ごみ処理場をめぐって、既設、新設を含めて全国で500件近い紛争があるといわれています。
いったん施設の建設が決定された場合、地域住民にとっては地域内のどこに建設されるのかといった建設候補地が最も気になるところです。
 施設建設計画を進める業者が立地選定する場合には、山林地帯で、捨て場として便利な谷間があること、処理場までの輸送費が安いことなどが主な検討事項となっているようです。
よく住民・業者間で紛争になる背景としては、業者が場所や規模を決めた後にその施設建設計画の法的な審査が行われるため、住民は計画を知って反対しますが、業者も土地などに投資しており、引くに引けないといった事情があります。
それに加え、業者側の法的権利が認められる要素が強いことが挙げられます。
廃棄物処理法では大気汚染を起こすような場合を除き、立地の制限は定めていないからです。
なお、こうした問題に対して環境先進国ドイツでは、廃棄物処分場令を2002年3月に閣議決定しました。
この政令は、廃棄物の最終処分ないし長期保管施設を対象として、次世代に負担を残すことのないように、立地選択や処理場の運用についての細則を定めるもので、直接的な法的拘束力がある法律です。
 昨今では、趣味としての釣りがブームとなっています。
その反面、日本全国の河川や海岸、湖などのいたるところで釣り針や釣り糸などが放置されている現状があります。
このように、愛好家が増えるにつれ、釣り糸で水鳥がけがをしたり、捨てたエサで川や海の水質が悪化したりする自然への影響が指摘されるなど、そのブームの陰で多くの自然環境が破壊されていることも事実です。
財団法人自由時間デザイン協会がまとめた『レジャー白書』によると、年間に一回以上釣りをした15歳以上の人口はここ数年、約1700〜2000万人にものぼっています。
 そこで現在、自然環境に負荷の少ない道具を使用して釣りを楽しむ「エコフィッシング」の動きが広がってきています。
従来から釣り糸の回収やごみの持ち帰りは釣り人として当然のマナーですが、エコフィッシングとは、仮に水中に落ちた場合でも、釣り糸なら一ケ月、ワームなら約一
年で分解される生分解性の特殊な繊維でできた釣り道具を使用したり、
水中で溶け出さない鉛のおもりなどを使用することで、環境への影響を最小限に抑えていこうという試みです。
 生分解性のワームは、従来の塩化ビニール製に比べ値段が高くなることや、釣り糸の場合では従来のナイロン製に比べて縮れやすいなどの課題はありますが、釣り人がマナーを守り、環境負荷の少ない道具を使用することで、環境保全に努めていくことが求められています。

<生き物豆知識〜クロナガアリ>
 クロナガアリはフタフシアリ亜科に属し、本州、四国、九州に分布しています。
働きアリは体長約5ミリで黒色、頭部には縦じわがあり、腹部は光って見えます。
 クロナガアリは草原や畑のそばの土中に巣を作ります。
巣は地面から3〜4メートルにも及ぶ深いトンネルで、ところどころに平らな部屋がついています。
この部屋は食物の貯蔵庫、食堂、育児室を兼ねたものです。 クロナガアリは秋だけに巣から出て、探餌活動をする変わり者です。
巣口は5月頃の結婚飛行の時だけ開き、後は秋になるまでずっと閉じたままになっています。
働きアリは他種のように夏の間外に出て働くことはありません。
 秋、天気のよい日に働きアリは巣から出て、地面にこぽれ落ちたススキなどのイネ科植物の種子を見つけ、口にくわえて持ち帰り巣に蓄えます。この種子が食糧であり、幼虫を育てる餌にもなるわけです。種子は発芽できず、アリ側が一方的に得をします。
 しかし、植物と相互扶助の関係を結び、共進化してきたアリがいます。
ヤマアリ亜科のクロヤマアリはスミレ、カタクリなどの種子を運び、エライオソームと呼ばれる付属物だけを食べます。
種子の発芽カは失われず、分散を果たすことができます。

<ワンポイント環境問題>の掲載情報は、イカリ消毒株式会社環境保健情報室の協力によりイカリ消毒(株)発行の月刊「クリンネス」から提供されております。
この雑誌についての詳細は下記URLにどうぞ。
http://www.ikari.co.jp/ 月刊「クリンネス」編集担当:大谷

<研究部会からのお知らせ>
*お知らせする事項は特にありません。

 このメーリングリスト通信に関するお問い合わせ等は下記までお願いします。
 研究部会長  邑井良守イカリ消毒株式会社) murai@ikari.co.jp