H20.12.10 センリョウとマンリョウ

<研究部会の活動報告>
*報告する事項は特にありません。


<生き物豆知識〜センリョウとマンリョウ
 お正月に飾られる繚起の良い植物としてセンリョウ、マンリョウがあります。
どちらも常緑の低木で冬に小さな赤い実をたくさんつけ、名前も似ているので分類的に近い仲間かというと、まったくそうではありません。
センリョウはセンリョウ科、マンリョウヤブコウジ科に属しますから、遠い親成どころか赤の他人といったところでしょうか。よく見るとセンリョウは木の先端に実がつきますが、マンリョウは幹の途中の枝に垂れ下がってつくので見わけは簡単です。
マンリョウは名前通り、いかにも重くてずっしりといった実のつき方です。
ともに庭木として植えられますが、センリョウはよく枝が伸びるので切り花として、マンリョウは成長が遅く、枝が下がりやすいので盆栽として鑑賞されることも多いようです。
また、関東以西の暖地には野生していて、おもしろいことにどちらにも黄色や白色の実のなるものがまれにあり、「キミノ(黄実の)〜」「シロミノ(白実の)〜」と呼ばれます。
 マンリョウも含め、同じ仲間のヤプコウジとカラタチバナは、お正月の縁起物として江戸時代に人気があり、多くの園芸品種がありましたが、現在は減ってしまい特にヤプコウジの園芸品種はあまり残っていません。
今はそれにかわってシクラメンやブリムラなど花の園芸品種がたくさん店先にならび、マンリョウなどはあまり見かけません。お正月の縁起かつぎなどの風習も植物の品種の維持とは深い関係があるのです。


<ワンポイント環境問題〜パイオマスエネルギー>
 石油や石炭などの化石燃料に代わる有望なエネルギー源として期待が高まっているのがバイオマスエネルギーです。
これは生物の作り出す有機物を利用する再生可能なエネルギーのことをいいます。
 太陽のエネルギーを使って植物は光合成によりバイオマス(太陽エネルギーを貯えた生物体)を毎年2000億トン(世界の年間全エネルギー消費量の約8倍)も作っていますが、これを自然界にそのまま放出せず、その一部を電力や熱エネルギーとして使おうというものです。
 具体的には、森林資源から得られる薪や木炭などの固体燃料や、このほか、アルコール発酵・合成などから得られる液体燃料、家畜の排泄物などのメタン発酵から得られる気体燃料などがあります。
中でも最も実用化が進んでいるのが、木材、バガス(さとうきびの絞りかす)、汚泥などを燃料として発電施設などに利用することです。
 バイオマスエネルギーは利用しても、もともと大気中の二酸化炭素を固定したもの
であるため、利用と何時に植林などバイオマス用に植物を育成すれば大気中の二酸化炭素を増やさないクリーンで再生可能なエネルギーです。
バイオマスエネルギーの利用はすでに、アメリカ、カナダ、フィンランドスウェーデンオーストリアの国々で行われています。
特にスウェーデンのヴェクショー市では、化石燃料の使用ゼロを目指して、バイオマ
スセンターを設立し、エネルギーの供給が行われています。

*<生き物豆知識>と<ワンポイント環境問題>の掲載情報は、イカリ消毒株式会社環境保健情報室の協力によりイカリ消毒(株)発行の月刊「クリンネス」から提供されております。
この雑誌についての詳細は下記URLにどうぞ。
http://www.ikari.co.jp/ 月刊「クリンネス」編集担当:大谷

<研究部会からのお知らせ>
*催し物のご案内です。
 私の知人で生物学の研究者であるにもかかわらず、折り紙を趣味としている臼田さんから催し物の案内が来ましたのでご紹介します。
この人の作る、いや折り上げる作品がまた見事なのですよ
(以下、転載文) 
みなさま こんばんは、万屋臼田です。

■ 池袋サンシャインシティにて、第17回東京ミネラルショーが開かれます。
成り行きで(のっぴきならない事情の為)公式パンフレットに見開き2ページで「マニアックな古生物折り紙」が掲載されます。
そして、そのほとんどを私の作品が占める予定です(他に若手有望株の手によるアノマロカリス類が掲載予定)。
化石や鉱物に縁のある方はあまりいないかとは思いますが、もしお越し頂く用があれば、パンフレットを見て「ぷっ」と笑って頂ければと存じます。
本当にマニアックな、ハードルかなり高めのラインナップです2008/12/12〜15
詳細は以下
http://www.tokyomineralshow.com/

■ また、今年も銀座でグループ展SOARが開催されます。
すっかり恒例になってきましたが、たぶん今年で最後です。
例によって私は折り紙を展示しますが、昨年と違い、見る人にあまり優しくない展示になる予定です。
カワゴンドウ類が希にイッカク類に含まれることがあったり、実はナガスクジラシロナガスクジラよりザトウクジラに近縁であるらしいことに衝撃を受けて俄然やる気が出てきているといういろいろな意味でひどい有り様に、何となくその内容を察して頂ければと存じます(予定)。
参加メンバーは把握していませんが、たぶん、粘土製の羽毛でおなじみフィギュアの木村さんやペーパークラフトの穴澤さんも参加されるんじゃないかと思います。
2009/01/11〜17
ギャラリー悠玄
http://www.gallery-yougen.com/

もしお暇があるようでしたら、お越し頂けると幸です。
(以上、転載文)

 このメーリングリスト通信に関するご意見、お問い合わせ等は下記までお願いしま
す。 研究部会長  邑井良守イカリ消毒株式会社) murai@ikari.co.jp 

<ワンポイント環境問題〜マイナスイオン
 空気は主に酸素と窒素からできていることはよく知られています。
しかし実際の空気中には、それ以外にもほこりや花粉、カピの胞子、場合によってはウイルスや細菌も浮遊しています。
一般的にはこれらのほこりなどの微粒子は電気的にはプラス(+)の性質を持っています。
 プラスの電気を帯びた原子をプラスイオンと呼び、電気的にマイナス(一)である原子をマイナスイオンと呼びますが、汚れた微粒子が多く含まれた空気はそれだけプラスイオンが多いといえます。
一方、森林の中のようにすがすがしい環境では、オゾンやマイナスの電気を帯びた酸素が多く、マイナスイオンが多いといわれます。
 最近、エアコンなどで人工的にマイナスイオンを作り出して室内環境に送り出すタ
イプのものが販売されています。
汚れた空気環境ではプラスイオンが多いため、マインスイオンを放出してプラスイオ
ンを中和し、イオンバランスを自然環境に近くしようという試みです。
マイナスイオンとプラスイオンが引きあうカを利用してフィルターの性能を高め、空気清浄能力を高める工夫をしているエアコンもあります。
 また、マイナスイオンがほこりを取り込む作用を掃除に利用した掃除機も開発されています。
従来より細かい粉塵まで吸い取ることが期待できます。
掃除機からの排気の中にもマイナスイオンを放出することにより排気のクリーン化も図られています。



<ワンポイント環境問題〜帰化植物
 秋の半ば、北アメリカからやってきたキク科の多年草セイタカアワダチソウが土手や河原を一面黄色に染めます。
 主に明治以降、外国から入ってきて野生化した植物を「帰化植物」と呼びますが、セイタカアワダチソウは戦後急に日本全国に拡がり、若い世代の人ではもともと日本にあった植物だと勘違いするほど、すっかり身近になった帰化植物です。
 帰化植物の多くは、都市の街路樹の根元や畑の脇、造成地といった、人が撹乱した土地にはよく生育しますが、日本の在来種が安定して生育している森林や草原にはな
かなか定着することができません。
土手や河川敷などは護岸工事や増水によって頻繁に撹乱される上、最近では水質の富栄養化に伴って土壌も富栄養化しているので、セイタカアワダチソウの他にも、ホソアオゲイトウ、オオブタクサ、キクイモなど帰化植物が一面に生育するのがよく見られるようになりました。
 新しい帰化植物といえば以前は輸入された綿花や羊毛、穀物に混じってきたものが、港や工場周辺などでまれに気付かれる程度でしたが、近年では外国産の牧草種子やワイルドフラワーと呼ばれる外国産草花種子が緑化用に広く使われ、一部が野生化し頻繁に新しい帰化植物が報告されています。
これらは一般的な園芸種と違って、繁殖力が旺盛で帰化植物となりやすいようです。
中には日本の在来種と見わけが難しかったり、交配してしまうものがあり、地域の植
物相の混乱が心配されています。

*<生き物豆知識>と<ワンポイント環境問題>の掲載情報は、イカリ消毒株式会社
環境保健情報室の協力によりイカリ消毒(株)発行の月刊「クリンネス」から提供されております。
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http://www.ikari.co.jp/ 月刊「クリンネス」編集担当:大谷

<研究部会からのお知らせ>
*お知らせする事項は特にありません。   

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 研究部会長  邑井良守イカリ消毒株式会社) murai@ikari.co.jp