H21.04.21 ニリンソウ

jfbn2009-04-21

<研究部会の活動報告>

*特に報告できる活動は行なっておりません。

<生き物豆知識〜カジカ>

カジカはカジカ科の魚の総称で、淡水産と海水産のものがあります。

海水産は体長が30〜60センチメートルで淡水産のものより大きく、トゲカジカ・ケムシカジカなどがあり、東北地方や北海道が主産地です。

旬は晩秋から初冬にかけてで、大きいものほど美床しいとされています。

北海道の郷土料理に頭と肝などを一緒に煮込む「カジカ汁」があります。

身は淡白ですが、肝の深い味わいを野菜が引き立て、肝の脂と味噌が調和して絶妙のうまさとなります。

そのほかに、あらいや薄切りなどの生食にもします。

淡水産のカジカは頭が大きく、尾部にかけて細く平たくなります。

水の澄んだ浅いところに棲み、ハゼに似た形をしています。

体長15センチメートルくらいで、背面は暗黒色または褐色でうろこはなく、幅広い暗色の横帯があり、腹側は真白です。

日本全国に分布しますが特に北日本に多く、形はあまり美しいとはいえません。

床は淡白でくせがなく美味です。旬は秋で、小骨が多く少し硬いので、そのままから揚げにすることが多く、そのから揚げをマリネにもします。

石川県ではカジカとハゼ類を混称してゴリと呼びます。

金沢のゴリ料理は有名で、特に「あめ煮」はおいしくて人気があります。

これはマゴリを使用しますが、少量獲れるだけなので、ほとんどが料亭で使われています。

そのため一般には、ハゼ科の川魚をゴリと称して使用しているようです。

<ワンポイント環境問題〜環境リスクマネジメント>

私たちを取り巻く環境の中には、ダイオキシン環境ホルモンなど、生命や健康にとって悪影響を及ぼしかねない多くの不安要素が存在しています。このことを「環境リスク」と呼んでいます。

私たちの身の回りにはほかに、野菜に付着する残留農薬や水道水の中の塩素やトリハロメタン、室内ではシックハウス症侯群の原因とされるホルムアルデヒドトルエンなどの化学物質、そのほかに日常使用しているさまざまな化学製品などの中に、実に多種多様な環境リスクが存在しているのです。

環境リスクマネジメントとは、そうした環境リスクに目を向け、リスクの存在やその重大性などを事前に把握し、合理的な方法とコストで適切な対策を講じていくこと

により、リスクによる損害(ダメージ)を最小限にすることをいいます。

私たちが今日ある物質社会を築いている以上、リスクを身の回りから完全になくすことはできませんが、環境リスクマネジメントにおいて重要なことは、リスクを効果的に減らしていく努力にあります。

そのためにはリスクの要素について、その要素が生態系や私たちの健康・生活などにどのような影響があるのか、まずは何から優先的に取り組めば良いのかなどを知るためのリスク分析やリスク評価が必要となります。

こうした分析や評価にもとづいて環境リスクの低減活動を行うことが、環境リスクマネジメントなのです。

*<生き物豆知識>と<ワンポイント環境問題>の掲載情報は、イカリ消毒株式会社

環境保健情報室の協力によりイカリ消毒(株)発行の月刊「クリンネス」から提供されております。

この雑誌についての詳細は下記URLにどうぞ。

http://www.ikari.co.jp/ 月刊「クリンネス」編集担当:大谷

<いきもの写真館>

 今回から、私たちの身近にいるいきものたちを写真で紹介します。

第1回はニリンソウです。

ニリンソウは自然豊かな森の中でしか見られない、と思っている方がいるかもしれません。

しかし、実は里山でもけっこう身近な植物なのです。

添付した写真は私(千葉県佐倉市)の自宅前、車道沿いの林縁に咲いていたものです。



ちょうど今が咲いている時期です。休日にでも探してみたらいかがでしょう。

<研究部会からのお知らせ>

*「書籍プロジェクト」について

 現在、来年の総会でのお披露目に向けて各執筆者が鋭意作成中です。

ここでは、私(邑井)が担当する獣毛同定の部の目次決定稿を以下に紹介します。

「獣毛による同定技術」目次決定稿 予想ページ数 95〜100

緒言

第?章 獣毛による同定技術の解説

この章について〜獣毛から種を同定する技術の過去と現在

1.獣毛の同定に関わる基礎知識

1) 獣毛の構造と呼び方

2) 同定のポイント                    

2.これまでに分かったこと

? 類縁関係が遠い種であるほど、同定類別は容易である。

? どの種類においても、尾毛と感覚毛(ヒゲ)については種の特徴が現れない。

? 同定技術に習熟してくれば、剛毛(上毛)だけでなく下毛でも、ある程度種を推

定することができる。

3.獣毛による同定手法の解説

1) 同定を実施する上での留意点            

2) 標本化の前処理作業                  

3) 肉眼及び低倍率による全体観察法            

4) スンプ法(スンプ標本の作成と観察)

5) 透過法(透過標本の作成と観察)

 6) 獣毛同定に必要な器材                 

4.同定に役立つ類別形質の解説

 1) 毛の太さと長さ〜毛幹膨大部

2) 毛の色調〜バンドの有無

 3) 毛の断面形状

 4) 毛小皮と表面紋理

 5) 毛髄質の形状

 6) 髄質比

5.獣毛同定に関わる用語

第?章 フィールドサインからの獣毛の検出法

エピソード

1.フィールドサインと獣毛

2.ペリット・糞からの獣毛の検出と同定の手順

3.巣材から獣毛を分離する簡便法 

4.目レベルの同定類別ポイント

第?章 獣糞やペリットから検出される獣毛の同定

エピソード

この章について

1.糞・ペリットから検出した獣毛を同定する

 1) ペリットから検出した獣毛による食性調査事例

 2) 動物糞から検出した獣毛による食性調査事例

 3) ヘアートラップで捕集した獣毛による調査計画例

2.関東地方の平野から低山帯に生息する小型哺乳類14種の獣毛の同定

第一段階:アブラコウモリとノウサギの同定

第二段階:モグラ目の種同定

第三段階:ネズミ目各種の同定類別ポイント

3.獣毛によるネコ目中型哺乳類5種の同定

1) 対馬諸島産ネコ目哺乳類5種の獣毛の特徴     

2) 同定類別の手順1〜イタチ・テン獣毛の類別    

3) 同定類別の手順2〜イヌ・ネコ獣毛の類別   

4) ボランティア向け同定マニュアルの整備事例

〜獣毛による対馬諸島産中型哺乳類同定マニュアル

第?章 巣箱による樹上性哺乳類調査の採取獣毛同定

エピソード

1.樹上性哺乳類の定義

2.巣箱による生息確認調査の問題点と獣毛同定技術の利用

3.採集獣毛の同定技術を導入した調査手順

4.主要な樹上性哺乳類の獣毛の特徴              

5.巣箱採集獣毛の同定事例

第?章 食痕、ヘアートラップ等で得られた獣毛の同定

〜獣毛による近縁種・競合種の類別

エピソード

この章について

1.ネコとツシマヤマネコ     

1) 同定類別の技術難度

2) 類別形質

3) 判定方法

2.ドブネズミとクマネズミ

1) 同定類別の技術難度

2) 類別形質

3) 判定方法

3.ニホンジカニホンカモシカ

1) 同定類別の技術難度

2) 類別形質

3) 判定方法

4.ニホンイタチとチョウセンイタチ

1) 同定類別の技術難度

2) 類別形質

3) 判定方法

5.アカネズミとヒメネズミ

1) 同定類別の技術難度

2) 類別形質

3) 判定方法

6.アズマモグラとコウベモグラ

1) 同定類別の技術難度

2) 類別形質

3) 判定方法

7.ニホンリスとタイワンリス

1) 同定類別の技術難度

2) 類別形質

3) 判定方法

8.その他の近縁種・競合種                         

  

9.まとめ〜獣毛により同属異種は同定できるか 

第?章 獣毛同定技術の応用

エピソード

この章について

1.個体識別の可能性について

2.種同定以外の生態情報を得る

あとがき

参考文献

 このメーリングリスト通信に関するご意見、お問い合わせ等は下記までお願いします。

 研究部会長 邑井良守イカリ消毒株式会社)
邑井良守宛てEmail はこちらへ

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