H22.05.31 ゴイシシジミ

ゴイシシジミ

<研究部会の活動報告>
*特に報告する事項はありません。

<生き物豆知識〜シジミチョウ>
 シジミチョウの成虫は小さくて可憐な姿をしていますが、この仲間にはその姿とは
うらはらに幼虫時代に肉食をする気の荒い変わり者がいます。
ゴイシシジミは竹林付近に棲息しているチョウで、和名のいわれは白地に黒点を散り
ばめた翅の模様を碁石にたとえたものです。
幼虫はふ化した時からタケやササの葉を加害するアブラムシ(アリマキ)を食べて成長
し、植物は全く食べません。
この益虫のお陰でタケは害虫から守られることになります。
越冬態は幼虫で、羽化は5月頃から始まり、オスは夕方になると活発に飛び回って縄
張りをつくります。
 ゴマシジミとオオゴマシジミの幼虫は3齢まで、それぞれワレモコウ(バラ科)とヒ
キオコシ(シソ科)の花穂を食べて成長し、その後はクシケアリによって巣の中に運び
込まれアリの幼虫を食べて育ちます。
アリはチョウの幼虫が蜜腺から出す甘露に誘惑されて捕食者を巣の中に引き入れてし
まうわけです。
これは片利共生を通り越して捕食者と犠牲者の関係になっています。
 ゴイシシジミがアブラムシを食べるという肉食性は進化の過程で植食性から転じた
ものと想像されていますが、ゴマシジミとオオゴマシジミの幼虫が植物食から肉食に
変わるのは移行途上の食性といえるでしょう。

<ワンポイント環境問題〜環境配慮型融資>
 近年では、金融機関の社会的責任の一環として「環境」はますます重要な要素と
なっています。
 具体的な動きとして、国内の銀行においては、国連環境計画ファイナンス・イニシ
アティブなどで提唱されている環境に配慮した金融の考え方への署名を始めとして、
企業への環境設備投資費用やISO取得費用に対して、低金利で融資する環境融資が行
われています。
 更に、近年の具体的な国内外の事例としては、日本政策投資銀行アメリカのシ
ティバンクグループなどの例があります。
 日本政策投資銀行では2004年4月から、日本で初めての試みとして、環境格付けの
結果を融資条件に反映させる新融資制度の導入を開始しました。
これは有害物質の削減や資源再利用の促進など、環境対策を積極的に進めている企業
に有利な条件で融資する制度で、6月の時点で既に申し込みは80社を超えるほどの反
響がありました。
 アメリカのシティバンクグループでは、途上国などの開発プロジェクトに関与する
際の基準として、熱帯雨林の保護など環境配慮に重点をおく融資の新たな指針を2004
年1月に作成、導入しています。
 このように、金融機関が投融資を行う際に、環境配慮型融資基準を導入する動きが
世界的に進んでおり、もはや環境に配慮することなしには大きなプロジェクトが行え
ないといえるほどの社会的流れができつつあります。

*<生き物豆知識>と<ワンポイント環境問題>の掲載情報は、イカリ消毒株式会社
環境保健情報室の協力によりイカリ消毒(株)発行の月刊「クリンネス」から提供さ
れております。
この雑誌についての詳細は下記URLにどうぞ。
http://www.ikari.co.jp/ 月刊「クリンネス」編集担当:大谷

<いきもの写真館>
 ここでは、特に私たちの身近にいるいきものたちを写真で紹介します。
第24回は生き物豆知識に出ているゴイシシジミです。
ちょうど今ごろ竹林のそばで飛んでいますよ。
碁石模様って感じがよく分かりますね。

<研究部会からのお知らせ>
*書籍発送のお知らせ
 研究部会で製作した書籍「動物遺物学の世界にようこそ! 〜獣毛・羽根・鳥骨編
〜」は6月にニューズレターとともに発送します。
もう少しお待ちください。

 このメーリングリスト通信に関するご意見、お問い合わせ等は下記までお願いしま
す。
 研究部会長  邑井良守イカリ消毒株式会社) murai@ikari.co.jp