H22.10.11 スズメバチ

スズメバチ

<研究部会の活動報告>
*特に報告する事項はありません。

<生き物豆知識〜カエルは何を食ぺているか>
 カエルやイモリ、サンショウウオなどの両生類は何を食べているかご存じですか?
両生類は卵からふ化し、オタマジャクシのときまでは水中で変態し、成体になってか
らは陸地でと二つの生活場所が必要です。
 カエルはオタマジャクシのときは主に落ち葉などの植物質のものを食べ、上陸して
カエルになってからは蚊やハエ、蛾や蝶の幼虫ま たはミミズなど生きたものしか食
べません。
それに対してサンショウウオの幼生は、水中にいるときから生きている動物しか食べ
ません。
例えば、ミジンコやボウフラあるいは餌となるべき動物がいないときはサンショウウ
オの幼生同士の共食いで成長します。
イモリやサンショウウオは上陸してからも生きている動物しか食べません。
同じ両生類と呼ぱれている生物でも食べ物はさまざまに違うのです。
 最近、生物を殺さないで胃の中の物を調べる方法が確立されつつあります。
今までは糞などで調べていましたが、消化されてしまっていることが多く、解析が遅
れていました。
しかし、この方法によって食べている動物を具体的に特定でき、ツチガエルやヒキガ
エルはアリを奸むといった偏食があることなどが 判ってきました。
胃内容物を調べる方法が進むと、カエルやイモリ、サンショウウオの食べ物がより詳
しく調べられ、生物が暮らす環境の豊かさがわか ってくるでしょう。

<ワンポイント環境問題〜自然生態系への風力発電の影響>
 風力発電は、今日では環境負荷が少ないエネルギー源として脚光を浴びています
が、その一方で、特に設置時の工事段階での環境破 壊や設置後の野鳥によるプロペ
ラ衝突事故の発生など、野鳥や海辺の自然生態系への影響が懸念されています。
 この状況は、風力発電の先進地である欧米の報告書の中でも明らかになっていま
す。
具体的には、風の強い時、風車が雲や霧で覆われた時など、イヌワシを始めとする多
くの猛禽類や、群れで飛ぶ小鳥たちが風車のプロ ペラで犠牲になっているという数
多くの報告がなされています。
日本においても、今後大型の風力発電機器が数多く設置される可能性が高くなってい
ますが、現在では、風力発電事業については、環 境アセスメントの対象にはなって
いません。
したがって、その設置についての周辺の自然環境への影響や、被害に合うことが予想
される鳥類などを対象に十分な調査をすることが 求められています。
特に、その設置場所が鳥類の生息地や渡りコース、エサ場等である場合には、彼らの
生息に影響がないよう、中止するかまたは設置地 域を変更するなどの対応が必要で
す。
 このように、今日では自然エネルギーの重要性はさることながら、自然エネルギー
と自然保護を両立していくための、野生生物との 棲み分けを考える時期に来ている
といえます。

*<生き物豆知識>と<ワンポイント環境問題>の掲載情報は、イカリ消毒株式会社
環境保健情報室の協力によりイカリ消毒(株)発 行の月刊「クリンネス」から提供
されております。
この雑誌についての詳細は下記URLにどうぞ。
http://www.ikari.co.jp/ 月刊「クリンネス」編集担当:関場

<いきもの写真館>
 ここでは、特に私たちの身近にいるいきものたちを写真で紹介しています。
第31回はスズメバチです。
木の樹液をなめていた個体で、たぶんキイロスズメバチでしょう。
今年は梅雨にあまり雨が降らなかったので、スズメバチの「当たり年」になっていま
す。
例年になく飛んでる姿が多いですから、皆さん気をつけましょう。

<研究部会からのお知らせ>
*このところ多忙のため1ヶ月空いてしまいました。
申し訳ございません。
*例年1月に実施しているFBN総会セミナーですが、2011年は書籍作成の連動企画とい
うことで、著者3名が話をするということになり ました。
詳細については、また追ってお知らせします。

 このメーリングリスト通信に関するご意見、お問い合わせ等は下記までお願いしま
す。
 研究部会長  邑井良守イカリ消毒株式会社) murai@ikari.co.jp