H23.04.27 ヒキガエル

ヒキガエル

<研究部会の活動報告>
*報告できる事項は特にありません。

<生き物豆知識〜イラガ>
 落葉した庭木の枝に、イラガの繭を見かけることがあります。
この繭はスズメの卵に似た形で硬くて灰白色、黒条紋を備え、内部で前蛹(蛹になる前のステージ)が越冬しています.
 イラガは日本に17種生息するイラガ科仲間の代表種で、北海道・本州・四国・九州に広く分布しています。
イラムシと呼ばれる幼虫はカキ、サクラ、ウメ、クリなどの葉に夏季現れる衛生害虫です。
イラムシの肉質突起には多くの毒棘があり、触れた瞬間に激しい痛みをともなう皮膚炎を起こすので、「三年疼き」という方言があります。
 イラガは三段がまえの越冬戦略をもっています。
まず、丈夫な繭の殻は、前蛹を低温から守る防寒具です。
次に「過冷却」の状態で休眠します。
これは、凍るはずの温度でも凍りださない現象です。
体にためこんだ不凍液のために、マイナス20度に100日間さらされても、春になれば変態を再開して蛹になり成虫が羽化します。
さらに三番目の戦略は、「細胞外凍結」です。マイナス20度以下では、それまでの過冷却を保てなくなって体内に氷ができます。
しかし、細胞の隙間を満たしている体液は凍っても、細胞の中までは凍りません。
細胞は凍結せず厳冬期を生き抜いていけるわけです。
 イラガが北海道の北部からシベリアにまで分布を広げているのは、驚くべき越冬戦略の持ち主だからでしょう。

<ワンポイント環境問題〜グリーン電力
 現在、私たちの生活はもとより事業活動に不可欠な電気エネルギーの使用にあたって、化石燃料を使わずに自然エネルギーによって発電される「グリーン電力」への関心が高まっています。
そこで注目されているのが「グリーン電力証書システム」です。
 グリーン電力証書システムは、電力10社の協調により提案されたもので、2001年12月から日本自然エネルギーが主体となって運用されています。
この仕組みは、自然エネルギーによる電力を活用したいユーザー(企業)が、同社に1キロワット時あたり約4円を支払い発電を委託、
そしてその証しとして「グリーン電力証書」を受け取るというものです。
通常の電力料金を支払いつつ同社に対してプレミアム料金を支払うことで、風力発電によるグリーン電力を利用するとみなされるシステムです。
 昨今では、このグリーン電力証書システムを利用してユニークな取り組みがなされています。
例えばあるタオルメーカーでは、グリーン電力を利用する工場で製造したオーガニックコットン100パーセントのタオルを、「風の天使」ブランドとして展開して好評を博しています。
また、ある鉄道会社が分譲住宅を販売するにあたって、あらかじめ160戸で使用する3年聞のグリーン電力を購入し、「グリーン電力住宅」として売り出したり、大型ライブハウスが、環境聞題に関心を持つアーティストからの提案でコンサートにグリーン電力を使うなど、活発に取り組まれています。

*<生き物豆知識>と<ワンポイント環境問題>の掲載情報は、株式会社環境文化創造研究所の協力によりイカリ消毒(株)発行の月刊「クリンネス」から提供されております。
この雑誌についての詳細は下記URLにどうぞ。
http://www.ikari.co.jp/ 月刊「クリンネス」編集担当:関場

<いきもの写真館>
 ここでは、特に私たちの身近にいるいきものたちを写真で紹介しています。
第38回はアズマヒキガエルです。
といっても、おとなではなくてオタマジャクシです。
カエルの中ではあんなにでかいのに、オタマジャクシはとても小さくて真っ黒です。
おまけに、すごく小さいうちに手足が生えて、さっさと上陸してしまうんですよね。

<研究部会からのお知らせ>
*お知らせする事項は特にありません。

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 研究部会長  邑井良守イカリ消毒株式会社) murai@ikari.co.jp