研究部会通信2015年3月号

<動物遺物学の部屋>

第39回 フィールドで動物遺物を見つけよう(3)〜猛禽の食痕
 
 3月になったら、千葉県なら森に囲まれた谷戸の奥、東京都だったら丘陵の林縁部といったところに行ってみましょう。
普通の人はあまり行かないので、道なんかありませんよ。
長靴で行きましょう。
森の際に行くと、湧き水が出て水溜まりとなっているところがあります。
足下がぬかるんでますが、かまわずに水の中をのぞいてみると・・・

透明なバナナ、に見えるこれはトウキョウサンショウウオの卵です。
彼らはカエルと同じく、早春になると親が山から降りてきて水の中で卵を産みます。
カエルと違うのは、現れても鳴きもしないし動きもスローモーなので、いるのかいないのかサッパリ分からないこと。
山に入ってしまえばさらに分からない。
ということで、生息していても人知れず絶滅してしまうなんてことがあちこちで起こっています。
親はこんなやつです。

サンショウウオを英語でいうとサラマンダー。
そんなに怖いもんじゃなくて、とってもかわいい・・・と私は思います。
このシリーズ、次回のネタは・・・少し考えてみます。

今日のお言葉です。
「天然の設計による平衡をみだす前には、よほどよく考えてかからないと危険なものである。」寺田寅彦 

<いきもの写真館>
 ここでは、私たちの身近にいるいきものたちを写真で紹介しています。
第79回はタチツボスミレ(だと思う)です。
サクラが咲く前の野山の地面で、褐色の世界の中に青が目立つスミレの花。
スミレは区別が難しいのでこれがそうかあまり自信はありませんが、タチツボスミレは青色が特に鮮やかです。

<研究部会からのお知らせ>
 特にありません。