生物技術者連絡会通信 2023年4月号

生物技術者連絡会通信 2023年4月号

 

<生物技術者が見た風景〜雑木林の林床にキンラン咲く>

 筆者は普段は金沢市に住んでいますが、自宅は千葉県佐倉市にありますので月1回程度、自宅に戻ってメンテナンスしています。今月は下旬に5日間ほど帰ることにしたんですが、その理由は家の近所にクマガイソウの自生地があって昨年はまさしくこの時期に咲いていたからです。21日に「ちょっと早いかな」と思いつつワクワクしながら行ってみたら…もう咲き終わり寸前でした。桜も半月くらい早かったけど、今年は何だか全ての季節が早いですね。ちょっとガッカリしながら雑木林に包まれた谷津の中を歩いていると、雑木林の林床でキンランがびっしり咲いているのに気づきました。


 そういえばクマガイソウの次がキンランで、こいつの方がちょうど盛りだったんですね。春の雑木林床に広がる新緑のカーペットの中にちりばめられた黄色のアクセントがまたいいですねー。クマガイソウが見れなかったのは残念だけど、これはこれで大収穫と感じた1日でした。  

 

<生物科学者の事件簿~空から鳩の首が落ちてくる>

 今を去ること20年くらい前の話ですが、東京都内のとあるビルから奇妙な依頼がありました。「ビルの警備員が毎朝建物の周りを巡回点検してるんだけど、このところほぼ毎日地上にすごいものが落ちてるんだよ。なんだと思う?…鳩の首だよ!鳩の首。一体どこから落ちてくるんだろう。まるで都市伝説みたいだよね。ちょっと調べてくれない?」

 ということで現場に行ってみました。場所は東京は大田区内のJR駅前に立地する高層ビルです。都心からは少し離れていて駅前は7階くらいのビルがひしめいていますが、このビルは周りからは際立って高い建物で遠くからもかなり目立ちます。駅前なので地上は全てコンクリートアスファルトで舗装されています。

実際に拾った鳩の首は処分されていたので、とりあえず建物の周りを歩いてみました。横には18階のビルの壁が垂直にそびえています。首が落ちていた場所に行ってみると舗装面に白い汚れが点々…と、これは鳥の糞ですね。上を見上げると外壁には窓や換気口がくぼんで設けられています。

 そのくぼみを見ていたら1箇所、同じくかすかですが白く汚れている場所がありました。明らかに鳥が休息していた跡です。これでわかりました。鳩を獲物とする猛禽類がやってきて、獲物を美味しくいただいた後に首を落としていったのです。鳩の首をちょん切って落とすなんてことをするのはハヤブサに違いありません。しかしここは都会の街中、そこに毎日来るって…

と、後ろを振り返ると街路樹にドバトが鈴なり。その街路樹の下ではおばさんが何かやってます。これは…ハヤブサに狩りやすい餌場を与えてるんじゃないかーい!

 この出来事は2004年のことで、当時は首都圏でハヤブサが繁殖しているという情報は確か無かったと思います。それから数年後に、神田の事務所ビルでハヤブサの繁殖が確認されたというニュースが出ました。都会でのトビを除く猛禽類の繁殖はチョウゲンボウが古くから知られていましたが、今やハヤブサもそうです。次は何でしょうか。個人的にはミサゴあたりがありそうかなと思ってるんですが。

 

<いきもの写真館No.147 エビネ

 クマガイソウは見れなかったんですが、ほぼ同じ環境に自生するエビネを見つけました。園芸植物かと思っている方が多いようですが、野生種もあるんですよ。クマガイソウと同じく盗掘される被害が多いので、花が咲くこの時期は地権者が頻繁に巡回して見守っていました。

 

<お知らせ>

 生物技術者連絡会研究部会ではこのほど、会員向け雑誌の研究部会誌第8号を刊行しました。コロナ事態の影響で第7号から約2年ほど間隔があいてしまいましたが、今後は再び毎年の刊行を目指してまいります。生物技術者連絡会の方々には近日中、ニューズレターとともにお届けします。興味のある方はお知らせください。

 

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生物技術者連絡会 研究部会 邑井良守 yoshimori.murai@gmail.com

 

生物技術者連絡会通信 2023年3月号

生物技術者連絡会通信 2023年3月号

 

<生物技術者が見た風景〜この痕跡なーんだ?>

 生物技術者がフィールドを調査する際に必要な技術の一つにアニマルトラック(動物の生息痕跡)を読むというものがあります。これに関する書籍が写真や図入りでたくさん出版されていますので、それを持っていったら現場で見つかる痕跡が何であるか自在に読むことができる…というわけではもちろんありません。フィールド調査に長けたベテラン技術者でも、本でも過去の経験においても一度も見たことがないぞという痕跡に出くわすことはざらにあります。滅多に見ることがないけど「なんじゃこりゃ!?」と叫びたくなるような痕跡の第2弾をどうぞ。

 とある倉庫の床面、トタン板の上に残っていた痕跡です。一つ一つの大きさは約1cm四方ですが、こりゃいったい何でしょう? 超小型のシカの足跡か? いやこれ、そもそも動物の痕跡なの? 桜の花びらが落ちて積もったホコリに跡が残った…? とか想像は尽きないかと思いますが、実はこれドブネズミがトタン板に薄く積もった小麦粉を舐めた痕なんです。ネズミの舌は先がとがっていて、蛇みたいにチョロチョロと2回続けて舐める性質があるので、動きながら舐めているとこんな痕がつきます。本当の野外で見かけることはほとんどありませんが、廃屋の中や農業資材倉庫の隅等で見かける可能性があります。憶えておきましょう。  

 

<生物科学者の事件簿~なんでそこにスズメがいる?>

 環境管理業(いわゆる消毒屋)を長年勤めていた私、人間が生活する空間の中で生き物たちが引き起こす様々な事象に遭遇してきました。その中には強く印象に残った「事件」とでもいえるケースもあります。勤めていた当時では絶対口外無用、トップシークレットのブラック案件なのですが、会社を引退してはや2年たちました。そろそろ話しても良いころかなと思いますので固有名詞は抜き、多少脚色付けするという条件で、これから幾つかの話をボチボチとご紹介していくことにしましょう。

 で、最初の話はスズメです。事件は集荷場に集まった牛乳を瓶詰めして商品化する工場へ運ぶタンクローリーで起こりました。タンクローリーというのはこんなやつですね。

 運んできた牛乳を配管で工場内に移した後、タンクを洗浄していたらタンクの中からスズメの死体が二つ出てきました。移送する配管はもちろんタンク直付けのバルブ付きで、タンク上部には写真のような点検ハッチがあるもののしっかりと閉められていた状態です。

 いったいどこからどうやって入ったのでしょうか? 密室犯罪的なミステリーですが、色々調べてみると次のような知見が得られました。 

※死体を検死した結果、死体が流入したのではなくて生きた個体がとても最近にタンク内に侵入して溺れ死んだ模様。何らかの理由で自らタンク内に飛び込んだ?

※点検ハッチを開ける等の侵入可能な機会があったのは集荷場(九州)と運送会社の駐車プール、それに受け入れ工場の3か所のみ。点検ハッチを開けている時は2名が立ち会うルールになっており、ハッチから侵入したらすぐ探知できるはずなので侵入は困難か。

タンクローリーが長時間駐車した上記3か所のうち受け入れ工場のみ、屋根等の周囲構造物でスズメの営巣痕が確認できた。

 どうも工場での侵入がアヤシイようですが、それにしてもどこを通って侵入できたんでしょうか? タンクローリー上部の点検ハッチ周辺を改めてじーっと観察してみました。

 うん? 写真にあるハッチのすぐ上にある、あの穴はなに? 関係者に聞いたところタンクに牛乳を満たす際にタンク内の空気を抜くための空気抜き穴だとのこと。普段はねじ込み式の蓋で閉めているものの、品質検査の時にも使うのでよく開けますとのことでした。直径を測ってみたら44mmあります。うーん、ここから入れるかなあ…とスズメの生態に詳しい識者に問い合わせてみました。その返事は以下の通りでした。

「スズメのような樹洞営巣性の鳥はそういう穴は大好きです。ねぐらだけでなく、非繁殖期でものぞき込んだりしています。」

 

…ということで調査結果を報告するとともに、空気抜き穴についてはタンク内に牛乳が入っている間は決して開放せず受入時にはタンク内の牛乳を移し終えたことを確認した上で開放する、という対策を勧告したのでした。ちなみに、スズメやツバメといった建築構造物に巣を作る鳥が原因となって、鳥の羽や糞が食品に混入した事例は結構あります。特にヒナが巣立った直後から越冬場所に移動するまでの秋から冬にかけて集中して事例が発生してますので注意しましょう。

 

<いきもの写真館No.146 キクバオウレンとショウジョウバカマ

 金沢周辺の自然林内の林床で春真っ先に咲く花はスミレではありません。キクバオウレンとショウジョウバカマという花です。どちらも湿った林床土壌を好み、スミレに先駆けて3月下旬ごろから咲き始めます。キクバオウレンは大群落をつくってキクに似た小さな花をつけます。この花、消炎、止血、瀉下などに効能がある数少ない日本特産の薬用植物としても知られています。太平洋側にはこれと似た別種のセリバオウレンが咲いてます。

 ショウジョウバカマは色彩のないほぼモノトーンの林床土壌から鮮やかなピンクの花をニョキニョキと突き出すように咲かせますので、早春の時期は遠くからでもとても良く目立ちます。春を告げる花として本当に相応しいですね。これから森の中ではカタクリ、そしてトキワイカリソウへと、湿地ではザゼンソウからミズバショウと季節が進むごとにカレンダーのように群落が交代していきます。森を散歩するのが本当に楽しい季節がやってきました。

 

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生物技術者連絡会通信 2023年2月号

生物技術者連絡会通信 2023年2月号

 

<生物技術者が見た風景〜ハクセキレイ、ピラミッドをつくる>

 私が消毒屋だったころに目撃した出来事です。とある会社から、事務所の天井から枯草のようなゴミが毎日落ちてくるけど何だろう?…。という問い合わせが来まして、現場に行ってきました。それで、事務所天井の点検口から天井裏をのぞいて見た光景が下の写真です。

 

 ???何だこれ…と、最初は分からなかったんですが屋外に回って写真に見える右側の壁向こう、建物外壁上の庇(ひさし)部分を見ているとお馴染みの鳥が壁の隙間を通って天井裏に入っていくのを確認。その鳥がこいつ…


 ハクセキレイでした。この鳥が毎年同じ場所に巣材を積み上げて営巣するのは知ってましたが、積み上げてもせいぜい10㎝くらいの高さしか見たことがありません。しかしこれは1m近い高さですそ野も広く、まるでピラミッドか富士山です。ここまで積み上げるのに一体何年かかったんでしょうか。調べてみるとハクセキレイのような小鳥の寿命は、野生では3~4年程度ではないかとのこと。そんな短い期間でこんなにまで積み上がるもんなの?。ここまで行くには5年以上はかかるんじゃないかなあ…と思ってしまいました。

 工場や倉庫等で使われるプレハブ構造の建物や換気口や配管、空調等といった設備があるため外壁や屋上に凹凸が多いビルでは、スズメやムクドリよりもハクセキレイに営巣される事例が最近目立っています。例えば食品を製造する工場のような施設だったら周りに採餌できる場所がたくさんあるでしょうから、野生とはいえ飼育下での環境のように7~10年の寿命も不可能ではないのかもしれません。ちなみにセグロセキレイキセキレイも人工物に営巣する例は知られていて、駐車場に止めていた車のエンジン部分に営巣された事例もあるらしいです。 

 

<今月のデータ~ピットホールトラップで見るアリ相 その4>

 様々な環境や場所でやったピットホールトラップ捕獲結果からアリ相のみを抜き出したデータのご紹介第4回です。実施したピットホールトラップ調査の仕様は以下の通り。

 

・誘引餌は「すしのこ」を使用。「すしのこ」は食料品店ならどこでも売っているタマノイ酢株式会社製の粉末醸造酢です。一袋150円くらい。

・設置時間は基本的に48時間(調査期日でいうと3日間)、調査初日の午前中に設置して調査3日目の午前中に回収というスケジュールです。

・設置個数は1地点あたり10個。回収時に紛失があった場合は、回収できたトラップの総捕獲数を10個あたりの値に補正します。

・捕獲数がものすごく多かったのでトラップ1個単位では5頭未満なら5頭、6~10頭なら10頭、11~50頭なら50頭、51~100頭なら100頭というように段階別にカウント、100頭以上では目視判断で100頭単位でカウントし、最終的に10個のカウント数を集計しました。


 千葉市内で実施した異なる環境の人工緑地2か所でのデータです。よく整備された疎林状の緑地上とそれに隣接する未整備の竹林内で実施した結果をまとめて一つの表にしました。トラップを設置した場所はどちらも地表面に10個を1mおきに直列で配置しました。アリ相のデータ紹介は今回で一段落。またネタ不足の時期になったらご紹介しますね。

 

<いきもの写真館No.145 カワガラス


 12月から2月までの金沢の冬は連日雨か雪で、1日晴れる日なんて月に2日あるかないかといった感じです。ようやく訪れた晴れの日に自宅から15分歩いて犀川の川べりを歩いていたらカワガラスに出会いました。犀川は金沢の街のど真ん中を流れていますが、時期になるとアユ釣りの釣り人が見られるくらい魚も底生生物も豊かな川です。冬は雪深い上流から平野部に降りてきているんでしょうね。しかし、じっくり見ていたら堰の裏側に飛んで入っていくのを観察。これはひょっとして…定期的に見に来るポイントがまたできてしまいました。

 

生物技術者連絡会通信 2023年12月号

生物技術者連絡会通信 2023年12月号

 

<生物技術者のための時事用語〜ため池特措法>

 2023年2月4日に生物技術者連絡会の2023年総会とセミナーが会員限定ながら3年ぶりに開催されます。今回は令和2年(2020年)10月1日に施行された「防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法」(略称ため池特措法)に関する講演があります。それにちなんで、ここではその予習ということでこの法律の内容を少し勉強しましょう。まずは所管の農水省HPからの抜粋です。

 「平成30年7月豪雨により、多くの農業用ため池が決壊し、人的被害を含む甚大な被害が発生しました。一方、決壊により下流の住宅等被害をおよぼすおそれがある農業用ため池は全国に数多く存在しています。地方公共団体などからは、財政やマンパワーに限界があり、防災工事等を推進するためには財政支援や技術支援が必要との声が多く寄せられました。このため、防災重点農業用ため池に係る防災工事等を集中的かつ計画的に推進することを目的として「防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法(令和2年10月1日施行)」が制定されました。この法律では、農林水産大臣が定める防災工事等基本指針に基づき、都道府県知事が防災工事等推進計画を定めることとなっており、この推進計画に位置付けられた防災重点農業用ため池について、国は必要な財政上の措置及び地方債への特別な配慮をすることが規定されています。」

 実は、この法律に先立って平成元年(2019年)7月1日に農業用ため池の管理及び保全に関する法律が施行されています。2011年の東日本大震災で多くのため池が決壊し被害が出たことから、ため池の管理者を登録制によって明確にすることと管理者不明なら自治体が管理できる体制にすることを目的に施行されたものです。この法律が施行された次の年に農水省HPの文にある平成30年7月豪雨の被害が再び起こったわけで、もっと念入りな対策をということでこの特措法ができたという経緯でしょうね。それで、次のようなことが定められています。

農水省HPによると全国に約16万箇所はあるため池の中で、決壊すると被害が出そうなヤバいため池を「防災重点農業用ため池」に指定。

②指定したため池に対して、2020年以降の約10年間のうちに強制的に防災工事する等の対策をして決壊しないような措置をとる。

③もし指定したため池が管理者不明で農業に資するとは認められない、災害予防の役にも立ってないようであれば廃止工事とする、つまり潰す場合もあり。

⇒詳しくは農水省HPの発表資料を御覧ください。

https://www.maff.go.jp/j/nousin/bousai/bousai_saigai/b_tameike/koujitokusohou.html

 農水省のHP資料を見ると、防災重点農業用ため池として全国で54610箇所がリストアップされてます。全国のため池全てのうちの三分の一くらいでしょうか。ため池が多いのは瀬戸内海に面する自治体なので、兵庫、岡山、広島県あたりでは防災重点農業用ため池が特に多いですね。ため池が多い自治体ではため池とその周辺を保全すべき多様な自然環境として、管理当事者の他に一般市民も参加して協議会を結成し管理しているところがあるそうです。また環境省はアドバイスするだけですが、林野庁ではその活動を支援する交付金制度を設けているようです。

 個人的にはそのような活動が行われているとは全く知りませんでした。市民が参加するビオトープ保全管理活動と似たようなものかなと思いますので、活動のマンネリ化とか農家さんや自治体等の管理当事者との軋轢とか、同じような課題もありそうな気がします。

 

<今月のデータ~ピットホールトラップで見るアリ相 その3>

 様々な環境や場所でやったピットホールトラップ捕獲結果からアリ相のみを抜き出したデータのご紹介第3回です。実施したピットホールトラップ調査の仕様は以下の通り。

・誘引餌は「すしのこ」を使用。「すしのこ」は食料品店ならどこでも売っているタマノイ酢株式会社製の粉末醸造酢です。一袋150円くらい。

・設置時間は基本的に48時間(調査期日でいうと3日間)、調査初日の午前中に設置して調査3日目の午前中に回収というスケジュールです。

・設置個数は1地点あたり10個。回収時に紛失があった場合は、回収できたトラップの総捕獲数を10個あたりの値に補正します。

・捕獲数がものすごく多かったのでトラップ1個単位では5頭未満なら5頭、6~10頭なら10頭、11~50頭なら50頭、51~100頭なら100頭というように段階別にカウント、100頭以上では目視判断で100頭単位でカウントし、最終的に10個のカウント数を集計しました。

 千葉県内で実施した異なる環境の海岸2か所でのデータです。船橋市高瀬町の人工護岸と千葉県いすみ市の自然護岸で実施した結果をまとめて一つの表にしました。トラップを設置した場所はどちらも海岸線から少し離れた裸地で10個を1mおきに直列に配置しました。

 

<いきもの写真館No.144 ケヤキ


 ケヤキは北海道を除く全国の山地から平地にかけて自生し、街路や公園にも良く植樹されています。成長すると箒を逆さに立てたような形できれいに枝が広がってくる樹形がいいですねー。昔は大きな旧家の広い敷地内に立つ幹周り(胸高直径)3m以上の太いケヤキを普通に見かけたものですが、今はすっかり少なくなって大木の多くは保存樹として保護されています。関東では武蔵野の原風景にある木としてよく紹介され、特に農家の庭先によく植えられていたようです。この木、薄くてちいさな葉がいっぱいついていて晩秋になると真っ先に落葉します。農家にとっては堆肥になりやすい落葉をいっぱい落としてくれるケヤキは、きっと頼もしく大事にしたい木だったんでしょうね。

 金沢市は全く戦災にあわなかったので、市内の各所で100年を超える樹齢のケヤキが見られます。写真は近所の小さな神社境内にあるケヤキを撮ったもので高さ30m、幹回りが5.1mあります。狭い境内なのにこの神社には幹周り4m以上の大木が5本もひしめいていて、葉が茂った時期の光景はけっこう壮観です。葉がすっかり落ちた枝ぶりを見ると、まるで人間の血管系みたいですね。

 

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生物技術者連絡会 技術部部会 邑井(むらい) yoshimori.murai@gmail.com

生物技術者連絡会通信 2022年12月号

生物技術者連絡会通信 202212月号

 

<生物技術者のための時事用語〜30 by 30>

 読みはサーティ・バイ・サーティ。2030年までに地球の陸域と海域の30%以上を自然保護区として守ろうという国際目標で、2021〜2022年に開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択されたもの。全世界的に絶滅する生物が加速増大していることから、生物多様性の低減や喪失が懸念される現状を少しでも変えようということで提案された。保護コストと保護で得られる社会的・経済的価値のうち後者が上回る境目として30%の値が決定されている。英国等の各国のみならず公益団体、大企業からの参画も多数表明されており、環境省はこれのアピール資料と実現するためのロードマップをPDFで公開している。

https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/

 生物技術者の独り言:日本の自然保護区は現在、陸域が20.5%、海域が13.3%だそうでどちらも30%に達してません。この狭く住む人が多い日本、これ以上自然保護区を増やすことができるかというと、かなり厳しいというか無理なのでは。賢い環境省の方々は里山として知られる場所をOther Effective area-based Conservation Measures(OECM)という言わば「なんちゃって自然保護区」、少しよい言い方にすると「自然共生地区」ということで30%の中に入れちゃおうと画策しているようですが、果たして首尾よく行くでしょうか。里山をそのように区分けするのって、結構難しそうな気がするんですけどねえ。

 

<今月のデータ~ピットホールトラップで見るアリ相 その2>

 様々な環境や場所でやったピットホールトラップ捕獲結果からアリ相のみを抜き出したデータのご紹介第2回です。実施したピットホールトラップ調査の仕様は以下の通り。

・誘引餌は「すしのこ」を使用。「すしのこ」は食料品店ならどこでも売っているタマノイ酢株式会社製の粉末醸造酢です。一袋150円くらい。

・設置時間は基本的に48時間(調査期日でいうと3日間)、調査初日の午前中に設置して調査3日目の午前中に回収というスケジュールです。

・設置個数は1地点あたり10個。回収時に紛失があった場合は、回収できたトラップの総捕獲数を10個あたりの値に補正します。

・今回は捕獲数がものすごく多かったのでトラップ1個単位では5頭未満なら5頭、6~10頭なら10頭、11~50頭なら50頭、51~100頭なら100頭というように段階別にカウント、100頭以上では目視判断で100頭単位でカウントし、最終的に10個のカウント数を集計しました。


 千葉県内で実施した異なる環境2か所でのデータです。千葉市中央区の畑地と千葉県印旛村の水田で同時に実施した結果をまとめて一つの表にしました。トラップを設置した場所はどちらも畔際で10個を1mおきに直列に配置しました。

 

<いきもの写真館No.143 セグロセキレイ


 関東の首都圏ではすっかり姿を見なくなった鳥で、ハクセキレイとの識別が難しいと本にはよく書いてあります。なので、私が千葉県にいたときは上下に波打って飛びながら川を横切る鳥を見ると、ひょっとしてセグロセキレイ?とあわてて双眼鏡で追いかけていたものです。ところが金沢にきて初めて、私はセグロセキレイハクセキレイは声が全く違うんだということに気づきました。ハクセキレイはチチンチチンでセグロセキレイはジジッジジッとといいますが、姿はよく似ているのに声は全然別物。彼らは飛んでいるときに必ず声を出しますので、なーんだ双眼鏡なんかいらんかったんやと。繁殖期にはイソヒヨドリに負けないくらいの声量でさえずるのも大きな違いですね。金沢に来ると見られるのはほとんどセグロセキレイで、ハクセキレイは海岸周辺でしか見られません。近年では全国的にハクセキレイの分布が拡大してセグロセキレイは押しまくられていると聞きますが、ここ金沢ではいまだにセグロの天下という感じです。

 ちなみにかつて消毒屋だった私にとっては、ハクセキレイは重要な害鳥でした。建物の天井裏や空調・電気などの配管といった狭い空間に入り込んで営巣するので、換気障害や糞害といったトラブルを引き起こすからです。工場施設のような大きな建物ではスズメやムクドリなんかより被害事例が大きかったですね。

 

この記事に関する問い合わせは以下にお願いします。

yoshimori.murai@gmail.com  邑井良守(ムライ ヨシモリ)

生物技術者連絡会通信 2022年8月号

生物技術者連絡会通信 2022年8月号

 

<生物技術者のための名所案内〜畔田谷津

 筆者は家庭の都合で現在金沢市に住んでいますが、本来の自宅は千葉県佐倉市にあります。今のところ空き家状態なので月に1〜2回ほど戻ってメンテナンスしに行ってます。佐倉市には20年以上も住んできましたので、こちらの周囲でもどんな生物技術者向けの「名所」があるかかなり熟知しているつもりです。これまでは金沢市周辺の名所をご案内してきましたが今回は佐倉市にある名所、畔田谷津をご紹介しましょう。

 佐倉市の西部に位置する耕作放棄地や雑木林等の荒れ地を佐倉市が取得し、佐倉市西部自然公園として整備している地域の中に畔田谷津はあります。佐倉市の大部分を占める北総台地関東ローム層から成る低く広い台地で、その中を流れる河川により形成されたミミズ腫れのような谷間を谷津と呼びます。畔田谷津は公園整備地の中で最も大きな谷津で、ここでは佐倉市がボランティアを募って里山環境の保全管理を行うワークショップ活動を行っています。久しぶりに8月24日のよく晴れた午前中に行ってきました。以下、案内図に示したルートに沿って歩きます。所要時間は1時間ほどです。

畔田谷津の散歩コース図


 案内図中の★が出発点です。最寄り駅の京成電鉄ユーカリが丘駅からは徒歩30分ほど、車なら東関東自動車道の四街道ICを降りて15分といったところです。ここは小さな谷津の入口にあたる場所で、数台駐車できるスペースがあります(写真1)。

写真1 散歩コースの出発点です

 

 出発点から雑木林の斜面に沿って車道を歩くと、すぐに隣の大きな谷津の入口に着きます。これが畔田谷津で谷間には草原化した広大な耕作放棄地が広がっています(図の① 写真2)。写真の右側に見える雑木林の際に歩道が続いていますので、その道を入っていきます。

写真2 畔田谷津の全景。

 

 雑木林の木陰の下を歩いていると草原の中に幾つか、湛水した池が整備されているのが分かります。カエルや水生昆虫を誘致するのが目的のようで、一部では稲も植えられています。ここではニホンアカガエルやアズマヒキガエルシオカラトンボ等が見られます(図の② 写真3)。

写真3 池はボランティアの方々により良く整備されています

 

 目を雑木林の斜面側に向けると何やら赤い花が…夏の終りの里山を彩るキツネノカミソリですね(図の③ 写真4)。ここでは早春にはスミレやウラシマソウ、春にはキンランといった植物も見られます。

写真4 中央の道端にキツネノカミソリが咲いてます。

 

 雑木林の林縁部を辿る気持ちの良い道を15分ほど歩いていくと、やがて畔田谷津を横切る車道とぶつかります(図の④ 写真5)。ここからは車道を右折して森の中の緩い坂道を登っていきましょう。

写真5 車道に突き当たったら右折します。

 

 200mほどで坂を登りきれば森を抜けて道の両側に畑が広がってきます。道の左側にある畑の中には何故か複数の石碑が立ってます。庚申塚でしょうか。なかなか絵になってますねー(図の⑤ 写真6)。

写真6 塚の周りだけ耕してません。大事にされてますね。

 

 それからさらに100mほど進みますと右側の民家脇がT字路になってますので、ここを右折していきます(図の⑥ 写真7)。

写真7 民家の塀の角を右折します。

 

 この交差点、T字路に見えますが実は十字路になっていて、黄色い標語がある側からは歩道も出ています。歩道は竹林の中に伸びていてちょっと入ってみるとこんな感じ(写真8)。

写真8 京都じゃないですよ。佐倉です。

 

 まるで京都の嵐山みたいでなかなかSNS映えする風景ですね。

 さて右折して狭い道に入ると、ここからは北総台地における里山環境の原風景の中を行く、といった感じになります。森の中を少し進むと分かれ道があって右の道を進んでいきます(図の⑦ 写真9)。

写真9 正面の分かれ道を右折します。

 

 しかし、この正面の家がまたレトロ感満載。母屋なんか、横溝正史の映画に出てきそうなやつですよ(写真10)。

写真10 今も人が住んでいるのかしら?

 

 このあたり、古くから沼沢地だった谷津の中は水田、水の手が悪い台地の上は畑地、その間の斜面は雑木林として利用されてきました。この家はこの土地の農家として代々続いてきたんでしょうね。さらに進むと右側に耕作地が現れます(図の⑧ 写真11)。

写真11 栽培されてますが小規模。自家用の畑でしょうか。

 

 北総台地に点在する谷津と谷津の間は幅が狭く細長い尾根になっていて、尾根の上は狭いながらも平地になっています。耕作地の両側が森林になってますが、この森林の先は急斜面。狭い平地のところだけが耕作地になっているのがよく分かりますね。この辺りでは毎年サシバが飛来し繁殖しているらしく、春になると森の中や上空で鳴き声を盛んに聞くことができます。

 さらに進むと尾根先になって道は終わり。もとは耕作地だったところをグラウンドにしたようで、草がきれいに刈られて広場となっている場所に出ます。広場の隅に休憩所?のような木のベンチがありますので、ここで休憩しましょう(図の⑨ 写真12)。

写真12 広場では地元民が集まって何かやってるんでしょうね。

 

 広場の周辺は耕作放棄地になっているようで、座っていると周りに耕作地は見えません。来たときに見た農家さんの土地だと思いますが、今や耕作している場所はわずかです。いずれは台地の上も全く耕作地のない荒れ地になってしまいそうです。

 森を背にして広場に向いて座っていても、来た道の続きがどこなのかよく分かりません。正面の林縁におそらくエノキだと思いますが、巨樹といっていいような大きな木を見つけることができたら、その下から谷津に向かう道が出ています。広場を横切ってその道に向かいましょう。道は尾根の斜面に沿って畔田谷津の入口に向かって降りています(図の⑩ 写真13)。

写真13 道は森の中を谷津に向かって降りていきます。

 

 降りきって視界が開けたところが出発点です。ご苦労さまでした。

畔田谷津は特に早春から春にかけて里山の花が咲き乱れ、野鳥のさえずりが響き渡るベストシーズンになります。都心からも比較的近いので、お暇な時に一度いかがでしょうか。畔田谷津のワークショップ活動の詳細については以下をご覧ください。

https://www.city.sakura.lg.jp/soshiki/seikatsukankyoka/163/3368.html

 

<いきもの写真館No.139 アサギマダラ>


 畔田谷津を歩いていたときに、林縁部の木々を次々と渡っていくようにアサギマダラが飛んでいました。暗い林内ですが、たくさんの白斑と黒と茶色の表裏のコントラストがとても鮮やかで、遠くからでもすぐに分かりますね。飛び方もゆっくりですし。夏に北上し、秋には海を越えて南下する「渡りチョウ」として知られているアサギマダラ。台湾や南の島々へ2500キロ以上も移動する個体がいるそうですが、こいつもこれから南の海を渡っていこうとしているんでしょうか。

 

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生物技術者連絡会通信 2022年7月号

<生物技術者のための名所案内〜平栗いこいの森

 金沢市は山の尾根先に作られた平山城を中心とした都市で、面積的には山岳部(山林)が全体の三分の二を占め、残りが平野部に砂浜海岸が少しといったところです。山岳部は基本的に険しい地形ですから、人が住める場所は極端に少なくなります。なので春や秋のキノコ山菜採りを除いては、街に住む人々が好んで山岳部に入っていくことはありません。クマやカモシカ、サル、最近では多くなったイノシシなど、獣の生息密度がかなり高いので山に入るのはおっかない、人が行くところではないという認識が基本的にあるみたいです。ですが、そんな山深い地域の中にも幾つか、人が歩ける遊歩道が整備された場所があります。ここで紹介する平栗いこいの森はそんな場所です。

 金沢市街の南側に山岳部の端に位置した前衛峰のような山、野田山があります。この山は全域が墓地になっていて、中腹には金沢市を開いた戦国大名前田利家とその一族、歴代藩主の墓があります。その周りに武士や庶民が墓をどんどん建てていったわけで、いわば金沢のネクロポリスとでもいいましょうか。その野田山に登る道を通って野田山を越え、さらに山奥に向かって15分ほど。

写真1 くねくねと細い道が続きます

 

 森の急斜面をトラバースするようにつけられた狭い車道(写真1)をうねうねと辿っていった先に突然開けた場所、産廃処分場が現れます。そのまた先の平栗集落を抜けたところに平栗いこいの森はあります。実は、ここに産廃処分場を造る際のバーター取引でこの森は整備されたのです。もともと処分場ができる前から、カタクリの大群落とギフチョウの発生地として有名だったおかげです。今回も前回に引き続き、40分ほどで回れるおすすめコースをレポート形式でご紹介します。歩いたルートを書き込んだ案内図を見ながらお読みください。

案内図:平栗いこいの森のおすすめコース


 出発点はトイレが整備された駐車場。止められるのは10台ほどの小ぢんまりした駐車場(図中の★,写真2)です。

写真2 駐車場にはきれいなトイレがあります

 

 カタクリの時期以外は休日でもここはガラガラ。レポートした初夏は緑も鮮やかで森林浴感は満点です。それでは出発しましょう。駐車場を出るとすぐに道が三つに分かれます(写真3)。

写真3 三つの道のうち右前に向かう道を行きます


 ここは右前の方向、真ん中の道へ入ります。右側に広がる水田に沿って道を歩いていくと再び分かれ道(図中の①,写真4)。

写真4 T字路ですが真っすぐ行きます。

 

 とりあえず真っすぐ行きましょう。それから20mほど行くと前方が開けてきて、耕作地を眼下に望む展望台に着きます(図中の②,写真5)。

写真5 初夏では展望台の見通しが多少悪いですね

写真6 訪問時には池から大きなアオサギが飛び立ちました

 

 展望台のすぐ下には池があって(写真6)、池を覗くとたいていは飛び立つ水鳥を見ることができます。春には植え付け前の耕作地内を歩くカモシカやサルを見ることもあります。

 では来た道を①まで戻ります。分かれ道を今度は右に、森の中へ向かって入っていきます。ちょっと歩いていくと森の中に建物が見えてきますが、これは野鳥観察舎のようです(図中の③,写真7)。

写真7 森の中に埋もれたように建つ野鳥観察舎

 

 建物に入りたいところですが相当老朽化していてちょっと心配。やめときましょう。道の右側はもともと棚田だったのが森林化した場所ですが。その中に休憩舎が見えます(写真8)。

写真8 こちらの休憩舎は利用できます

 

 こちらの方は利用できそうです。案内図には休憩舎の周りに木道が書かれてますが、今は朽ち果ててしまって通れなくなっています。このあたり、春から初夏にかけて歩くと野鳥のさえずりがうるさいほど聞こえます。特にクロツグミが目立ちますね。 

 道をさらに進んでいくと左にカーブしながら上り坂に。周りの森は基本的にコナラ雑木林ですが、1本1本の幹が太くて林床は地元の方々が丁寧に管理しています。4月初めには、このあたりの林床は全てカタクリで埋め尽くされ、花々の周りをギフチョウが飛び回るという、生物技術者にとっては夢のような光景が出現します。初夏にはキビタキクロツグミオオルリといった鳥たちの美声で満ち溢れる場所です。坂を上っていくと、やがて道は車道と交差します(図中の④,写真9)。

写真9 車道が交差する場所を横切ります

 

 ここは車道を横切って、さらに坂を登っていきます。坂を上りきると車止めがあって車が通れる道はここでおわり。道端にはベンチが設けられていますのでここで一服しましょう(図中の⑤,写真10)。

写真10 ベンチに座ると森に包まれるような気分がします

 

 一服したら散歩を再開。終点まではあと10分くらいです。ベンチの裏に尾根をたどる山道があります(写真11)。

写真11 ベンチの横から道は二股、左の尾根道の方に行きます

写真12 森の中を進みます。落ち着きますねー

 この道は静謐という言葉がぴったりなゆったり歩きたくなる道ですが(写真12)、ゆっくり歩いても数分で尾根先に達します。道はここから左の急斜面を真っすぐ降りて行きますので、しりもちをつかぬように慎重に降りましょう。降りきったところが駐車場の脇で、めでたく出発点に戻りました。ご苦労様でした。

 ここはカタクリギフチョウの時期を外しても春の新緑、初夏の渡り鳥、秋の紅葉など、歩くたびに森林浴だけではもったいないような景色に出会えます。何度でも行きたくなるところですね。車でしか行けない場所ですが、道がとても分かりにくいのでご注意。あ、それと訪れるのは土日か祝日がいいですよ。平日は狭い山道を産廃処理場へ通うダンプカーがしょっちゅう走りますので。夏のお盆(7月と8月)時期も野田山が混みあいますのでご遠慮ください。

 

<いきもの写真館No.138 モリアオガエル


 平栗いこいの森を歩いていると棚田だった跡にできた池や水溜まりに幾つか出会います。その中でも真夏でも枯れないほど大きな池があり、そのほとりを歩いていると池端の草にモリアオガエルがいました。昼間はめったに出会うことがないのですが、隠れているつもりなのかピクリとも動かず安心しきっているよう。なかなかかわいいですね。草の葉先が折り曲げられていて、まるでベッドで寝てるみたい。この池はクロサンショウウオやトノサマガエル、ヤマアカガエルもやってきて、その周りの水が流れ込む草むらからはタゴガエルの声も聞こえてきます。良いところです。

 

本ブログの記事に関するお問い合わせは生物技術者連絡会 研究部会の邑井まで。

yoshimori.murai@gmail.com