研究部会メーリングリスト通信 2019年6月号
前回の続編です。あれから4回ほど卵塊がどこにどのくらい出現するか見てきました。先月まで知らなかったのですが、大学が移転した後に城内を公園として整備した際、モリアオガエルに配慮した整備が行われたようです。文献を見ると産卵地となる天敵がいない止水域を増やしたとのこと。先月見た「本丸の森」以外にも、少なくとも4か所くらい増やしていたんですね。6月初めまでその事実を知らず、「本丸の森」しか産卵場所はないと思っていたので最初は卵塊の少なさに少し心配になりました。ところが、新たに整備した場所に卵塊の多いこと。それも復元城郭の内堀とか、広い芝地の公園内にある湿生園とか、今まで産卵場所を見てきた自分にとっては「こんなところに!?」という感じの場所に卵塊がたくさん。何だかうれしくなっちゃいました。内堀と湿生園で見た産卵場所の写真を4枚ばかりご覧ください。
最初の2枚が内堀、次の2枚が湿生園で見た卵塊です。夜は閉園されて立入禁止になってしまうんですけど、モリアオガエル産卵ツアーとかやってないかしら。産卵を数えた結果については次の通りです。
<今月のデータ 〜 モリアオガエルの卵塊を数える>
6月に4回、公園内の4か所で卵塊を数えた結果は表のとおりです。
最初の2回、「本丸の森」以外を知らずにいたのは悔やまれますねー。来年はちゃんと数えましょう。基本的に生体の生活環境として森林は必要ですが、産卵場所については天敵がいないと森林域じゃなくてもOKなんですね。水域の上に樹木の枝が伸びていれば。しかし、薄暗い森の中にある産卵場所よりも開放的な産卵場所の方が、産卵時期が早いような気がしますね。目視で数えた卵塊数から公園全域での産卵数を推定する表が載っている文献があり、それにあてはめると今年の卵塊数は50個くらいってところでしょうか。
<いきもの写真館No.98 ウマノアシガタ>
引き続き、金沢城公園ネタです。モリアオガエル卵塊調査(という名の散歩)で時期的にあってたようで、公園内にウマノアシガタがたくさん咲いてました。写真のような感じです。キンポウゲ科のこの花、野山では普通に見られてよく似た仲間が多いですが、よく見ると花弁の表面がまるでビニールみたいにツルピカ。そのうえ真っ黄色なので英語では「バターカップ」などといいます。これだけまとまって咲くと見事ですねー。このほか、この時期園内ではオドリコソウも花盛りでした。
<今月のお知らせ>
※過去のイベント紹介のため省略します。
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邑井 良守
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