H21.05.25 オドリコソウ

オドリコソウ

研究部会メーリングリスト通信 平成21年5月25日号

<研究部会の活動報告>
*特に報告できる活動は行なっておりません。

<生き物豆知識〜アナグマ
アナグマは、日本では「タヌキとよく似ているけどタヌキじゃない動物」、くらいの
扱われ方でしたが、最近、電力会社のコマーシャルですっかり有名になったように思
います。
あのコマーシャルに出てくるのは、日本にいるアナグマよりも顔が白いヨーロッパ
に生息しているアナグマです。
日本のアナグマは、顔の黒い部分がもう少し小さく、顔の色も茶色がかっています.
私が、アナグマと初めて出会ったのは、サルの調査で山の中を歩いているときでし
た。
ササ薮の中を通っている遊歩道を歩いていると、突然、目の前の薮の中から黒っぽい
中型の動物が現れました。
一瞬、タヌキかなとも思ったのですが、ずんぐりした体型、およびよたよたとした歩
き方から、アナグマだとわかりました。
一般には「アナグマは夜行性の動物」と言われており、夜、暗くなってからでないと
見ることができないと思いこんでいたので昼間も出歩いていることは驚きでした。
その後、曇りの日の昼に道路脇を歩いていたり、昼間、スギ植林の中を歩いていると
ころを見かけ、「夜行性とはいわれているけど、すべてがそうではない。知っている
ようで、実はよくわかっていないこともあるんだ」ということに気づかされた出来事
でした。
穴を掘ってその中で生活するためか、丈夫な爪と頑丈な足を持っていて、猟犬にも立
ち向かう気の強いところもあります。
人を見てもタヌキのようにあわてて逃げることはなく、ゆうゆうと去っていくように
見えます。
もっとも手足が短いので、走ること自体あまり得意ではなさそうですが。

<ワンポイント環境問題〜食糧自給率
現在、わが国の食料自給率は約40パーセントとなっており、先進国の中で食料自給
率が50パーセントを下回っているのは唯一、日本だけです。
第二次大戦中ヨーロッパ各国は、多くの食料をアメリカからの輸入に頼っていました
が、戦後は、国家を支えるために積極的な食料増産政策を進めました。
今も食料自給を国家政策として位置づけています。
日本でも終戦直後は食料難に対応するため、さらには食料の輸入によって工業が稼
いだ外貨を流出させないために、農業振興政策を進めました。
その結果、高度経済成長期には自給率100パーセントを達成しました。
しかしその後は、アメリカへの工業製品の輸出維持・促進をはかるために牛乳やオレ
ンジなどの農産物を輸入したり、アメリカの過剰小麦処理のために小麦を輸入しなけ
ればなりませんでした。
また、肉食へ食生活が変化してきたことから、家畜の餌となる飼料などを輸入するこ
ととなり、自給率は約40パーセントまで低下しました。
近年、FTA(自由貿易協定)やWTO(世界貿易機関)により先進国や工業振興のための貿
易を促進しようとする動きがみられます。
しかし農産物の輸出入は、農薬問題・BSE問題といった安全間題を拡散させ、輸出国
の土壌破壊といった環境問題を発生させています。
したがって、安易な輸入が輸出入国の国家安全・国民の健康を脅かしているといえま
す。
食料を生産する農林水産業は、国家・国民の礎といえるでしょう。

*<生き物豆知識>と<ワンポイント環境問題>の掲載情報は、イカリ消毒株式会社
環境保健情報室の協力によりイカリ消毒(株)発行の月刊「クリンネス」から提供さ
れております。
この雑誌についての詳細は下記URLにどうぞ。
http://www.ikari.co.jp/ 月刊「クリンネス」編集担当:大谷

<いきもの写真館>
 ここでは、特に私たちの身近にいるいきものたちを写真で紹介します。
第3回はオドリコソウです。
5月に雑木林の縁などで咲いている花です。
花の形を正面から見ると,笠をかぶった踊り子の姿に見えることからつけられた名前
です。
もっとも、花を正面から見るには地面に座り込むか、はいつくばらなくてはなりませ
んが。

<研究部会からのお知らせ>
*今回お知らせする事項は特にありません。

 このメーリングリスト通信に関するご意見、お問い合わせ等は下記までお願いしま
す。
 研究部会長  邑井良守イカリ消毒株式会社) murai@ikari.co.jp