H21.11.24 クサガメ

クサガメ

<研究部会の活動報告>
*今回はご報告お休みです。
次回からまた3回連続で執筆中の書籍の内容を一部ご紹介します。

<生き物豆知識〜アカムシユスリカ>
餌として釣り人に利用され「赤虫」の名前で市販されています。
黒味がかった灰色の成虫は体長8〜9ミリ、湖沼の水温が5度位に低下する10月下旬か
ら11月下旬にかけて羽化し、灯火に飛来し衣類にたかって嫌われる不快昆虫です。
オス成虫は配偶行動のとき、高さ10〜20メートルにも及ぶ巨大な蚊柱をつくってメ
スを誘いこんで交尾が成り立ちます。
交尾後、メスは水面に静止して1000〜1200粒の螺旋状の卵塊を生み、約5日後に幼虫
がふ化します。
幼虫の色は二齢までは白色、三齢になるとオレンジ色、四齢に達すると赤色に変わり
ます。
赤色はヘモグロビン様の色素によるもので、酸素の少ない水でも生息可能です。
また、アカムシユスリカの幼虫は低温に適性をもち、水温が16度以上になる4月から
10月までの間、四齢幼虫は湖底の泥に潜って深さ40〜80センチの所で休眠します。
ユスリカの大発生は不快感だけでなく、近年アレルゲンとしても注目されていま
す。

<ワンポイント環境問題〜ヒートアイランド現象と豪雨被害>
最近、主に都市部において集中豪雨や雷が頻発し、それによる被害が増加していま
す。
その主な原因として挙げられているのが、地球温暖化ヒートアイランド現象だとい
われています。
ヒートアイランド現象」とは、都市化によりコンクリートアスファルトなどの
人工物が増加したことや、エアコンなどの人工的な排熱が増加したことで、地表面で
の熱吸収が行われず、都市の中心部の気温が周辺部より高くなる現象のことをいいま
す。
つまり、都市部では郊外と比べて気温が高くなり、等温線を描くとあたかも都市を中
心とした「島」があるように見えることから、「ヒートアイランド現象」と呼ばれて
いるのです。
この現象により、ここ20年程度の間に平均気温が0.4〜0.6℃上昇しており、その影響
が大きくなっていることが明らかとなっています。
また、進行しつつある地球の温暖化により、このような現象がさらに顕著になるもの
と考えられています。
IPCC(気侯変動に関する政府間パネル)の報告書によれば、ヒートアイランド現象に
より人口1000万人以上の巨大都市では、
集中豪雨や雷など巨大都市特有の気象パターンが出現するとしており、現在の都市構
造では十分に対応できないような局地的集中豪雨の発生の可能性もあると指摘してい
ます。
日本では、すでに東京などの大都市で時間雨量が100ミリ前後の集中豪雨が多くなっ
ており、早急な対策が必要とされています。

*<生き物豆知識>と<ワンポイント環境問題>の掲載情報は、イカリ消毒株式会社
環境保健情報室の協力によりイカリ消毒(株)発行の月刊「クリンネス」から提供さ
れております。
この雑誌についての詳細は下記URLにどうぞ。
http://www.ikari.co.jp/ 月刊「クリンネス」編集担当:大谷

<いきもの写真館>
 ここでは、特に私たちの身近にいるいきものたちを写真で紹介します。
第14回はクサガメです。
私のうちの近くにいるのを見つけましたが、最近はカミツキガメというやつがはび
こってきて、大変なことになっております。

<研究部会からのお知らせ>
東京大学総合研究博物館からのお知らせです。
遠藤先生とは面識がありますが、これはまた特異なイベントですね。
お化け屋敷へ行く気分でどうぞ。

(以下、転載文)
2009年11月吉日
東京大学総合研究博物館特別展示「命の認識」のご案内
人類は物を蓄積し、それを掘り下げて解析し、新たな真理をつかみ取るとともに、
それに基づいて新しい考え方を社会に送り、自由な表現を謳歌してきました.
その活動の中心に、つねに博物館があります。
東京大学総合研究博物館は、知の蓄積を通じて、新しい理の表明と創造性あふれる表
現を培ってきました。
「命の認識」なる今次の特別展示は、本館教授遠藤秀紀が総指揮・監督を務める、
新たな遺体表現の場です。
着任以来およそ一年半の間に収集した動物遺体標本群を中心に、空間を構成します。
監督の意図はただ一つ。
博物館を快楽やサービスの提供の場と称した昨今の悪しき意思を根本から破壊して、
個人が命を認識するまでの根源的苦悩の場を、展示室に広げてみることにあります。
この展示場では、世に売り買いされる形式的な楽しみを得る必要などまったくなく、
科学的客観的事実や昔の学者や文化人の整った学理を受容するにも及びません。
何千何百の骸の形から、来館者が命を認識していく、その経過自体が特別展示「命の
認識」なのです。
来館者が無数の遺体と対時し、苦悩に追い込まれていくことで、展示は一つの新しい
段階に昇華していくことでしょう。
現在.展示制作の現場準備が進んでいる段階です。
ぜひお近くの方々をお誘いいただいて、展示をご覧いただければ幸いに思います。
同時に旧館展示ホールでは、常設展「キュラトリアル・グラフィティ〜学術標本の表
現」展を開催しております。
これからも、よりいっそうのご指導、ご鞭燵を賜りますよう、お願い申し上げます。
[特別展示のご案内]
名 称:東京大学総合研究博物館特別展示「命の認識」展
総指揮・監督:遠藤秀紀(東京大学総合研究博物館教授)
会期:2009年12月19日(土)〜2010年3月28日(日)
休館日:月曜日 (ただし1/11・3/22は開館)・12/24・12/29〜1/3・1/12・1/16・
1/17・2/12・2/25 ・2/26 ・ 3/23
時 間:10:00より17:00まで(ただし入場は16:30まで)
入館料は無料です。
詳しくはHPをご覧ください。
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2009inochi.html

 このメーリングリスト通信に関するご意見、お問い合わせ等は下記までお願いしま
す。
 研究部会長  邑井良守イカリ消毒株式会社) murai@ikari.co.jp