研究部会通信12月号

<研究部会の活動報告>
*報告できる事項は特にありません。

<動物遺物学の部屋>
第3回 獣毛を同定する手法(1)。
 私の会社は有害生物の管理を生業としていますので、虫の採集を趣味としている者が社内に結構います。彼らは子供の頃から虫が好きで、それがそのまま大人になってしまったような無邪気さを持っているところに共通した特徴があるように見えます。聞くところによると偉い大学教授や政治家にも虫好きの方がいるようで、昆虫採集はバードウォッチングと肩を並べるほどの高尚な趣味という地位を確立しているようです。ところが獣毛となるとどうでしょう。早い話、虫を集めていると「いい趣味だね」とか言われますが、毛を集めているとなると「・・・・変態だな」なんて感じでしょうか。そんなわけで、虫の採集法や同定法に関しては研究者も多く書物もたくさん出されているのに、こと獣毛に関しては研究者もおらず書物もなしということになります。
 野外で採取される獣毛の同定に取り組んでから15年ほどになりますが、参考となる書物は海外のものが少し、あとは論文や理容業界の専門書、変わったところでは警察庁科捜研の内部資料など、もろもろの情報をかき集めてようやく同定手法が出来上がってきました。それがこれからお話しするその同定手法ですが、私の個人的意見から次の考え方で出来上がっています。まず、フィールドで同定できる手法ではなくてはならないこと。調査しているその場で獣毛が同定できたら、非常に効率的に次の行動へ移れるはずです。そこで標本を見るには顕微鏡が必要ですが、電子顕微鏡を担いで持って行くわけにはいきませんので普通の生物顕微鏡、それも持ち運びできるくらいの小さな(安価な)もので同定できなくてはならないと考えました。次に、小さな子供でもできる手法でなくてはならないこと。同定手法を世の中に浸透させるには、すそ野を広げるのが一番です。子供が興味を持ってくれるような手法なら、きっと世の中に浸透していきやすいでしょう。
ということでこれからお説明に入りますが、すいません、つれづれなるままに書いているせいか今回も字数が尽きてしまいました。以降は次回で。
今回の最後のお言葉です。
「動物は人間を理解しようと努力しているが、はたして人間は動物を理解しようと努力しているであろうか?」 アルベルト・シュバイツァー

<いきもの写真館>
 ここでは、特に私たちの身近にいるいきものたちを写真で紹介しています。
第45回はクサガメです。
正面から撮ってみました。
不満そうな顔してますね。

<研究部会からのお知らせ>
FBNでは1月28日(土)に恒例の総会セミナーを開催します。
会員外でも参加できます。
詳しくはHPをご覧ください。

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セミナーテーマ
「FBN会員のための情報交換会」〜生物系異業種交流会〜

 近年、生物系の仕事に携わる方々から市場の縮小や技術者
の減少、後継者の不在等といった悩みをよく聞きます。
世間では環境が大事と叫ばれているにもかかわらず、それに
従事する技術者の境遇や前途は決して明るいものではありま
せん。このような現状を打開する一つの考え方として異業種交
流があります。
 生物系の仕事でもいろいろな業種がありますから、異業種間
の交流を活発化することにより仕事に直結する新しい分野や
技術が見えてくるかもしれません。FBNには固有の技術や情報
を持つ様々な業種の方々が参加しています。今回は会員の方々
に現在携わっている仕事の紹介や苦労話等を持ち寄っていた
だき、会員間で情報を交換していただくことにより明日に役立つ
ヒントを何かつかんでいただければ幸いです。

開催日 2012年1月28日(土)
会 場 (財)自然環境研究センター9階大会議室
     (台東区下谷3−10−10)
     http://www.jwrc.or.jp/profile/map.htm

*********** プログラム **********
13:30 開場 総会受付
14:00 第18回総会
14:30〜14:40 休憩
14:40〜17:00 セミナー「FBN会員のための情報交換会」
   コーディネーター:斉藤事務局長
 1.はじめに FBN代表(斉藤事務局長)
 2.情報提供
  ・荒尾 稔 (㈱トータルメディア研究所:ふゆみずたんぼの話)
  ・小田 信治 (清水建設㈱:アニマルパスウェイの取り組み)
  ・邑井 良守 (イカリ消毒㈱:震災と感染症対策と害虫獣防除)
  ・岩見 恭子 (財)山階鳥類研究所:鳥類の標本の作り)
  ・仁井 雄治 (㈱地域環境計画:野鳥公園で、鳥が見られるのか…?)
   その他、出席者からの情報提供をお願いします。
 3.総括 大野正男 東洋大学名誉教授 生物技術者連絡会会長
17:00〜 閉会
17:30〜 懇親会

懇親会費:2,000円
懇親会費は当日支払いでお願いします。
※釣り銭なきようお願いします。
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【申込方法】
・参加人数を把握するため、事前に参加の申し込みをお願いします。
・メールまたは、所定の申込み用紙にてFAXで下記事務局まで
 お申し込み下さい。
 http://www.jfbn.jp/  からもダウンロードできます
・メールの場合、以下の項目を記入して下さい。
1)名前  2)所属(会社名) 3)連絡先(住所/電話/FAX/E-mail)
4)会員/会員外/学生 の別 5)懇親会の出欠
・申込み〆切は1月20日(金)です。定員はありません。

申込み・問合わせ先
生物技術者連絡会事務局(財団法人自然環境研究センター内)
〒110-8676 東京都台東区下谷3-10-10 SN入谷
TEL.03-5824-0966 FAX.03-5824-0956
事務局長 斉藤秀生 E-mail:ssaito@jwrc.or.jp
生物技術者連絡会公式ホームページ http://www.jfbn.jp/